ご本人の残存能力を生かしながら自立を支援し、介助者の負担を軽減する排泄用具選択のアルゴリズム(※)作成について ~第26回日本老年泌尿器科学会(2013年5月17日)にて発表~
@Press / 2013年5月23日 11時0分
ユニ・チャーム株式会社(本社:東京都港区、社長:高原 豪久)は、牧野 美奈子氏(NPO法人日本コンチネンス協会員)、小澤 拓也氏(社会医療法人協和会 加納総合病院)、小池 清貴氏(パラマウントベッド株式会社)と協力して、排泄用具選択のアルゴリズムを作成しました。そして、その研究内容を、2013年5月17日の第26回日本老年泌尿器科学会にて発表しました。
※アルゴリズムとは、物事を進めていくための明確な手順、特に問題を解くための手順
■アルゴリズム作成の背景
昨年、総務省はここ5年間で「団塊の世代」が65歳を迎え、いわゆる高齢者とされる65歳以上の人口が3,000万人を超えたと発表しました。高齢化が進むことで介護に関する問題の深刻さが表面化し、自立支援や在宅ケアへ注目が集まっています。しかし、在宅ケアについては解決すべき多くの問題が指摘されています。
そのような中、家族介護者の困窮度が最も高い介護は三大介護と言われる「入浴・食事・排泄ケア」の中の「排泄介護」とされています。2012年8月に当社が行ったケアマネジャーへの排泄に関する調査で、在宅で導入される排泄ケアサービスは「福祉用具貸与・販売」がトップであるにも関わらず、福祉用具の選択や使用について適切にアドバイスのできる自信があるケアマネジャーは少なく、排泄用具が適切に使用されていない懸念があることがわかりました。さらに、一般的に知られている排泄用具選びのアルゴリズムは複雑で、また、紙おむつを例にとると、テープ止め紙おむつと紙パンツが分かれておらず、用具進歩への適応も不十分ということがわかりました。
そこで、在宅生活に応じた排泄状況を評価する方法の開発の必要性を感じ、牧野 美奈子氏(NPO法人日本コンチネンス協会員)、小澤 拓也氏(社会医療法人協和会 加納総合病院)、小池 清貴氏(パラマウントベッド株式会社)の協力のもと、新たな排泄用具選択のアルゴリズムを作成しました。
排泄用具選択の新アルゴリズムのイメージ
http://www.atpress.ne.jp/releases/35687/1_1.jpg
《新アルゴリズムの特徴》
座位保持の能力の確認からスタートし、移動・移乗(乗り移り)・衣服の着脱の3つの排泄動作の可否について、「はい」「いいえ」で答えていくと、ADL機能に応じた排泄の場所が分かり、適切な排泄用具と吸収用具の方向性が導き出せるようになっています。紙おむつに関しても、テープ止め紙おむつや紙パンツなど用具進歩に対応し、適切な用具選択を可能にしました。また、人的介助や住宅改修、その他の福祉用具の必要性も検討できるようになっています。評価の過程で特定のフローを通過すると、チェックボックスにチェックが入り、別紙の確認シートで詳細な検討をすることで、個別のケアプランが作成できるという仕組みです。
これらにより、ご本人の残存能力を最大限に活用した自立支援と介助者の負担をなるべく軽減する排泄ケアの実現に繋がるのではないかと期待しています。
《作成者》
牧野 美奈子 NPO法人日本コンチネンス協会員 介護福祉士 介護支援専門相談員
小澤 拓也 社会医療法人協和会 加納総合病院 理学療法士
小池 清貴 パラマウントベッド株式会社 理学療法士
山元 ひろみ ユニ・チャーム株式会社 排泄機能指導士 看護師 保健師
■排泄用具選択のアルゴリズム作成を通じて
排泄ケアは「待った」なしで、1日に何度も行うケアです。だからこそ、ご本人の残存能力を生かしながら尊厳を守り、介助者の負担をなるべく軽減することが大切だと当社は考えます。
自立支援・在宅ケアの方向性が政策として明確に打ち出されている状況下、今回の排泄用具選択のアルゴリズム作成が、ケアマネジャーの業務支援と、ご本人の自立支援、ご家族の介助負担の軽減の一助となれば幸いです。
■会社概要
社名 :ユニ・チャーム株式会社
設立 :1961年2月10日
本店 :愛媛県四国中央市金生町下分182番地
本社 :東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館
社員数 :1,228名[グループ合計10,287名](2012年3月)
事業内容:ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品、
ヘルスケア関連製品、化粧パフ、ハウスホールド製品、
ペットケア関連製品、産業資材、食品包材等の販売
ユニ・チャーム株式会社 ホームページアドレス
http://www.unicharm.co.jp/
@Pressリリース詳細ページ
提供元:@Press
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