1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

<「保温調理」に関する共同研究報告第三弾>おでんの季節到来!煮込み料理の定番食材「大根」 真空保温調理器は「味のしみこみ」を促し、大根特有の食感が残る「軟らかさ」に仕上げる「黄金色の大根」を失敗せず、手間なく仕上げる保温調理術

@Press / 2013年11月12日 17時30分

図表1 図表2
サーモス株式会社(本社:東京都港区、社長:樋田 章司)は、調理科学の専門家である佐藤秀美先生との共同研究第三弾として、当社のロングセラー商品の真空保温調理器「シャトルシェフ」を使って、おでんなどの冬の煮込み料理の定番食材・大根に関する「保温調理」特性について実験しました。


寒い冬に大人気の大根ですが、煮込み時間が足らず、中までちゃんと味がしみ込んでなかったり、芯が残っていたり、かえって煮込みすぎてグスグズになってしまったり、うまく煮込むのが難しいこともあります。今回は様々な加熱条件のもと、大根調理において保温調理にはどのような優位性があるのか検証しました。
その結果、以下のようなことがわかりましたのでご報告いたします。


<実験結果サマリー>
(1) 大根調理に対する主婦の悩みは「下ゆでが面倒」「味がしみない」「芯が残る」等煮込みの手間や煮込み時間不足からくる悩みが多く上がった。
(2) 厚切りの大根は中心まで火が通りにくい。中心温度が100℃に達するのは沸騰後20分だった。
(3) 大根の味のしみこみは消火後に急激に進む。消火後保温する方が、味が中までしみこみやすい。
(4) 保温調理鍋では大根特有の食感を残したまま、軟らかく仕上がる。
(5) 保温調理は「味のしみこみ」を促し、大根特有の食感が残る「軟らかさ」に仕上げる。光熱費も少なく、手間いらずの調理方法である。


<佐藤秀美先生考察&ワンポイントアドバイス>
本実験結果から、保温調理することで、分厚く切った大根は、大根特有の食感を残したまま軟らかく、味のよくしみ込んだ状態に仕上がることがわかりました。一般に「弱火でグツグツ煮込むほど軟らかくなり、味がしみ込む」と言われます。測定の結果、グツグツと長時間煮込んだ場合と、短時間加熱後に保温調理した場合とでは、味のしみ込みはほとんど変わりませんでした。また、硬さは、両者とも同程度に軟らかくなるものの、長時間煮込んだ場合にはただ単に組織全体が軟らかく、保温調理では素材特有の食感が残った状態で軟らかくなることが明らかになりました。さらに、本実験では、消火直後に味が急激にしみ込む現象を確認し、一般に言われる「味は冷える過程でしみ込んでいく」ことを実験的に明らかにしました。

保温調理中は火を使わなくても弱火で食材をグツグツ煮ている状態と同じですが、吹きこぼれ等を気にして台所に居る必要もありません。分厚い大根の煮込み料理だけでなく、アク抜きのために大根を下ゆでする場合にも、保温調理を利用すると便利でしょう。分厚い大根を軟らかく煮る、あるいは下ゆでするための調理法として、保温調理は最適です。

さらなるエコ&時短には、分厚く切った大根を冷凍してから加熱する方法がお勧めです。冷凍すると細胞組織が破壊され、その後の加熱で速やかに軟らかくるため、保温調理前の加熱時間が大幅に短縮できます。

佐藤秀美(さとう ひでみ) 学術博士(食物学)
横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。
学術博士。専門は食物学。大学で非常勤講師を務めるかたわら、専門学校を卒業し栄養士免許を取得。
研究者と主婦の目線で料理や栄養を研究。
著書に『おいしさをつくる「熱」の科学』、『カラダと健康の疑問に答える、栄養「こつ」の科学』(いずれも柴田書店)など


(1) 大根調理に対する主婦の悩みは「下ゆでが面倒」「味がしみない」「芯が残る」等煮込みの手間や煮込み時間不足からくる悩みが多く上がった。
大根はおでんを代表とする冬の煮込み料理の定番食材です。20~60代の520名の主婦を対象にした調査では、「下ゆでが面倒」(26.3%)、「なかなか中まで味がしみない」(23.5%)、「芯が残る」(7.9%)など、煮込みの手間の面倒くささや、煮込み時間の足りなさからくる悩みが多いことがわかりました【図表1】。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40577/1_1.jpg

(2) 厚切りの大根は中心まで火が通りにくい。大根の中心温度が100℃に達するのは沸騰後20分後だった。
厚切りの大根を下記の3つの調理工程【図表2】で加熱調理し、温度、塩分濃度、硬さ、を比較しました。
普通鍋(1)は「弱火でグツグツ煮て、味をしみ込ませる」という一般的な調理法を想定
普通鍋(2)は「冷める過程で、味がしみ込む」&「煮て、すぐ食べる」を意識した一般的な調理法を想定
保温調理鍋は「高い温度で放置することによって、味をよくしみ込ませる」を意識した保温調理法を想定
http://www.atpress.ne.jp/releases/40577/1_1.jpg

まず大根の煮汁と中心温度の変化をみました【図表3】。煮汁が沸騰(100℃)した時点での、大根の中心温度は46.8℃で、煮汁が沸騰して大根の表面温度が100℃になっても、中心温度はあまり上昇していないことがわかります。中心温度が100℃に達するのは、煮汁が沸騰してから20分を経過した後です。
大根中心温度が100℃の時間は、普通鍋(1)(43分)、普通鍋(2)(13分)、保温調理鍋(13分)で、普通鍋(1)が他の調理方法よりも、大根を100℃で長時間煮ていたことになります。普通鍋(1)の大根中心温度は消火後に低下し、1時間32分後には80℃を下回りましたが、保温調理鍋は2時間15分まで80℃以上をキープしていました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40577/2_2.jpg

(3) 大根の味のしみこみは消火後に急激に進む。消火後保温する方が、味が中までしみこみやすい。
次に大根の中心部の塩分濃度を測定しました。工程2では、消化後放置(普通鍋(2))と消火後保温(保温調理鍋)の方が、加熱中(普通鍋(1))よりも塩分濃度が高いこと、工程3では、消化後の普通鍋(1)の塩分濃度が高まることから、火を止めた後に味が急激にしみ込む可能性が高いことがわかります【図表4】。これは、沸騰中は細胞内の水分が水蒸気となり細胞中を隙間なく満たし、調味液が細胞内に入り込みにくいためと考えられます。消火後は、水蒸気が水に変わり体積が急激に減少することで、細胞内に調味料が引き込まれ、味がしみることになります。
また、工程4の保温調理鍋の塩分濃度が高いことからも、加熱終了後は、煮汁を高温に保つ(保温する)方が、味は中までしみ込みやすいことがわかりました【図表5】。この理由として、高温の方が調味料の分子運動が激しく、大根内部へ調味料が浸透しやすい、保温中に大根の組織が破壊されて軟化が進み、調味料が容易に組織内へ浸透しやすくなるという2点が考えられます。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40577/2_2.jpg

(4) 保温調理鍋では大根特有の食感を残したまま、軟らかく仕上がる。
最後に大根の硬さを測定しました。煮汁温度の高い、普通鍋(1)と保温調理鍋の大根は軟らかいことがわかります【図表6】。大根の組織を支える成分で大根の硬さを左右するペクチンが、高温ほど速やかに分解されるからです。さらに工程4の普通鍋(1)と保温調理鍋を比較すると、保温調理鍋の方が最大値を示した後の波形の高低差が大きいことがわかりました【図表7】。これは普通鍋(1)の大根はただ単に軟らかいだけで、大根特有の食感がなく、保温調理鍋は軟らかい中に、大根らしい食感が残っているということです。つまり保温調理鍋ではただ軟らかいだけでなく、おいしさに関わる大事な要素でもある食感が残る仕上がりになるのです。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40577/3_3.jpg

(5) 保温調理は「味のしみこみ」を促し、大根特有の食感が残る「軟らかさ」に仕上げる。光熱費も少なく、手間いらずの調理方法である。
以上の結果から、保温調理鍋は「味のしみこみ」「軟らかさ」の点で、他の調理法に比べて優位性があることがわかりました。
大根を煮込む場合、中途半端に煮込んでそのまま鍋を火からおろすよりも、保温した方が味がよくしみこみます。一般に「グツグツ煮込むほど味がしみ込む」と思われがちですが、実際にはグツグツ煮込んだ大根と保温調理した大根では、味のしみ込みにほとんど差はありませんでした。
大根は高い温度を長く保つほど軟らかくなりますが、グツグツと必要以上に長い時間煮込むと軟らかくなり過ぎ、歯ごたえが無くなってしまいます。けれども、大根の中心部まで可食状態にしてから、消火し保温すれば、たとえ長時間保温しても大根特有の食感が失われず、適度な軟らかさに仕上がりました。
保温調理鍋は普通鍋に比べて、消火後に保温調理するため光熱費がかからず、火の前にずっといる必要なないので手間なく調理することができるというメリットもあります。保温調理鍋を使えば、芯まで味がしみこんだ、黄金色の大根が味わえることでしょう。
http://www.atpress.ne.jp/releases/40577/3_3.jpg


●実験概要●
実験場所  :佐藤 秀美先生自宅
実験期間  :2012年11月~2013年1月
実験目的  :大根の煮込み料理における“味のしみ込み”、
       “軟らかさ”に対する保温調理鍋の優位性を検討
比較対象鍋 :(1)真空保温調理器「(シャトルシェフ」)
       (2)普通鍋(「シャトルシェフ」の内鍋)
       ※加熱機器:IHコンロ
試料    :円柱状大根4個(82.0g±0.2g/個)、計328g
       煮汁(しょうゆ・砂糖・うま味調味料)1000g、塩分濃度1.2%
各加熱法概要:大根4個と煮汁1000gを鍋に入れて火にかけ、
       各所定時間加熱/放置/保温
       普通鍋(1) 「弱火でグツグツ煮て、
       味をしみ込ませる」という一般的な調理法を想定
       普通鍋(2) 「冷める過程で、味がしみ込む」&
       「煮て、すぐ食べる」を意識した一般的な調理法を想定
       保温調理鍋 「高い温度で放置することによって、
       味をよくしみ込ませる」を意識した保温調理法を想定
       ※加熱開始後40分30秒で可食可能の硬さになった。
       加熱中、落し蓋(キッチンペーパー)を行い、
       加熱終了時の塩分濃度を1.2%に保った。
測定項目  :(1)温度:DATA COLLECTOR(安立計器株式会社、AM-7002)
       (2)塩分:ポケット塩分濃度計(株式会社アタゴ、PAL-ES1)
       (3)硬さ:クリープメーター(株式会社山電、レオナ―IIRE2-33006B)
       (4)外観等の観察(写真)


【真空保温調理器「シャトルシェフ」について】
商品URL: http://www.thermos.jp/product/cooker/shuttlechef/index.html

真空保温調理器は、「調理鍋(内鍋)」と、それを保温する「保温容器」の
2つで1セットという構成です。
保温容器は、魔法びんと同じ高真空断熱構造のため、熱を外に逃がしません。
よって、調理鍋(内鍋)で料理の材料を沸騰後、その調理鍋を保温容器に
入れることで、余熱で調理ができます。
なお、保温調理とは、短時間火にかけた後に保温して、余熱を利用して
食材に火を通す調理方法です。


【サーモス株式会社について】( http://www.thermos.jp/ )
世界で初めて魔法びんを製品化して以来、サーモスは優れた断熱技術とユニークな発想で、真空断熱マグ、保温弁当箱など生活を快適にする製品を皆様にご提供しています。魔法びんの高度な真空断熱技術に生活快適発想をプラスしたサーモスのさまざまな製品は、世界120ヶ国以上で愛されています。


【本製品に関するお問い合わせ先】
サーモス株式会社 お客様相談室
TEL:0256-92-6696

@Pressリリース詳細ページ
提供元:@Press

【関連画像】

図表3 図表4 図表5図表6 図表7 硬さ 加熱法シャトルシェフ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください