GfK Japan調べ:消費増税の生活家電販売への影響
@Press / 2014年6月26日 10時30分
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:藤林 義晃)は、生活家電製品(※)の家電量販店における消費増税前後の販売動向を発表した。
【概要】
・生活家電は10月以降徐々に需要が高まり、ピークの3月は金額ベースで前年から9割増。
増税後の4月は前年比3割減となるも、5月は同1割減と回復基調。
・大型生活家電は半年間にわたり需要が増加、小型生活家電は3月に集中。
増税の影響が小幅だった小型生活家電は、反動減からほぼ回復。
【増税決定後、2013年10月から施行まで販売拡大】
消費増税の決定を受け、生活家電の販売金額は決定直後の10月から増税施行直前の14年3月まで前年を上回って推移した(図1)。ピークとなった14年3月は金額前年比9割増を記録、10~3月の期間計では同3割増となった。市場を牽引したのは冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった大型生活家電で、特に高価格帯において需要の大幅な増加がみられた。
増税後、特需の反動減から4月は前年の販売金額を約3割下回ったが、5月は1割減にまで回復した。13年10月から14年5月までの期間計でみると、金額前年比は2割増となっており、増税前のプラスの影響がまだ大きい。ただ、6月前半(2~15日までの2週間)の販売金額は前年比1割減となっている。気候も大きく影響するが、前年水準への回復がいつになるか注目される。
図1:生活家電 金額前年比
http://www.atpress.ne.jp/releases/47963/img_47963_1.gif
【大型生活家電への影響が大きい】
生活家電を大型と小型に分けて見ると、駆け込み需要のピークはいずれも3月であったが、大型生活家電は10月から早々に増加が見られたのに対し、小型生活家電は3月に一極集中した(図2)。10~3月計の金額前年比は大型生活家電が5割増、小型生活家電が1割増となった。
大型生活家電は、多くが生活必需品であり、家電製品の中でも価格が高く増税による影響が大きいため、この機会に買い替えを決めた消費者が多かったと考えられる。また、住宅購入に伴う、転居時の購入が増加したことも伸長の一因といえる。
前述したように、大型生活家電は、冷蔵庫や洗濯機で大容量モデルの販売が急増するなど、高価格帯が堅調であったため、販売台数より金額面での押し上げが特に大きかった。また、冷蔵庫や洗濯機の高価帯製品は例年、夏のハイシーズンに向けて価格が下がるが、需要が前倒しされ、価格が高値で安定したことも金額面で寄与したといえるだろう。小型生活家電では、クリーナーや電子レンジ、炊飯ジャーを中心に家事家電、調理家電の増加が目立った。中でも、クリーナーは拡大基調のハンディータイプ・スティックタイプに加え、キャニスタータイプやロボットタイプも伸長し、3月の販売金額は前年の2倍となった。
増税後の4、5月の販売をみると、小型生活家電は大型生活家電に比べ、増税前の伸びが高くなかった分、反動減も小幅にとどまっており、回復は早い。小型生活家電の金額前年比は4月が2割減、5月が1割減、6月上旬では数%の微減となっており、近く前年の水準に戻ると見られる。一方の大型生活家電は、4月は3割減まで落ち込み、その後5月は1割減、6月上旬も1割減となっている。大型生活家電の中でも、洗濯機は金額ベースではほぼ前年並みまで回復しているが、夏商戦の中心となるエアコンや冷蔵庫は天候に左右される部分が大きく、大型生活家電の今後の回復は気温の上昇次第といえるだろう。
13年10月から14年5月までの期間計では、大型生活家電は3割増、小型生活家電は数%増となっている。小型は今後数%減のまま年内を推移したとしても、13年10月以降の期間計ではマイナスにならない見込みだ。また、大型生活家電は1割程度の反動減が9月まで続くと仮定すると、13年10~14年9月までの1年間の金額前年比は1割増にまで縮小する。14年10月以降は前年比では特需との比較になるため、例年並みの販売推移を想定すると、駆け込み需要によって得られた貯蓄は早晩、消化されることになる。大容量モデルやプレミアムモデルなど、平均価格の上昇につながる製品がいかに消費者に受け入れられるかが市場回復のカギとなるだろう。
図2:大型・小型生活家電 金額前年比
http://www.atpress.ne.jp/releases/47963/img_47963_2.gif
(※)生活家電に含まれるカテゴリー…大型生活家電(エアコン、洗濯機、冷蔵庫など)、小型生活家電(家事家電、調理家電、理美容・健康家電、季節空調家電)。住設系製品や消耗品は含まない。
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集している。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。
■ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
URL: https://www.gfk.com/jp
詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
【関連画像】
この記事に関連するニュース
-
ー2023年度 電動アシスト自転車の販売動向ー 全体の販売数量は6%減少するも、シティー車では15%の成長
@Press / 2024年4月23日 11時0分
-
過去最低にパソコンが売れなかった2023年度、しかし底は打ったか──JEITAの国内PC出荷実績を読み解く
ASCII.jp / 2024年4月23日 11時0分
-
デジカメ市場、13年ぶりのプラス成長に - 2023年 イメージング市場 -
@Press / 2024年4月18日 11時0分
-
上方修正の「ビックカメラ」下方修正の「ヤマダデンキ」何が家電業界トップ2の明暗を分けたのか
MONEYPLUS / 2024年4月18日 7時30分
-
タイヤの店頭販売が本数前年比13%増と好調、冬タイヤは同41%の伸長ー2024年2月の自動車用タイヤ・エンジンオイル・バッテリー販売速報ー
@Press / 2024年3月26日 11時0分
ランキング
-
1いなば食品、大炎上でも「不買運動」が起きぬ理由 キリンはあれだけ盛り上がったが…どこに違いが?
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 18時10分
-
2【要注意】自宅に「エコキュートの無料点検をします」と突然の来訪! 悪徳業者の「詐欺」の場合もあるの? 正規業者との見分け方や注意点を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月22日 5時0分
-
3東京円一時1ドル154円87銭、34年ぶり円安水準を更新…経団連会長「円安過ぎる」
読売新聞 / 2024年4月23日 20時39分
-
4リッチモンド、顧客満足度1位に「なっちゃう」神髄 目指さずとも…要因は"委ねる"から生まれる主体性
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 10時30分
-
5毎朝スタバのコーヒーを飲む上司。コンビニの「100円」コーヒーを買う場合と比べ、年間でどれだけ多くの金額を払っているのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月22日 11時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください