<モッテコ調べ>デイサービス事業者の『食事・栄養サービス』について聴取 リハビリ特化型では食事・栄養サービスが「充分ではない」が約7割にも
@Press / 2014年12月24日 15時0分
介護向け食品の流通・コンサルティング業務を行う株式会社モッテコ(本社:東京都墨田区、代表取締役:高瀬 誠)では、2014年11~12月に、デイサービス事業者を対象に食事・栄養サービスの調査を実施しました。
(補足:デイサービスは、介護を必要とする利用者が日帰りで事業者に通い、食事や入浴などの日常生活の介護から、機能訓練やレクリエーション・介護方法の指導などの支援を行う介護保険サービスになります)
この調査では内容を食事・栄養にフォーカスし、
・前半では利用者向けに提供している食事・栄養サービスの状況を、
・後半では事業者視点での介護食品の商品・サービスの受容性を聴取しました。
すると調査結果の概略として、一部のデイサービス事業者の食事・栄養サービスは、提供している事業者の視点から「充分ではない」と課題に挙がり、その課題解決の案として介護食品が受容される傾向が見られました。
このリリースでは調査結果のサマリーレポートとして、代表的な内容をご紹介します。
《当リリースでご紹介する内容》
▽デイサービス事業者/利用者の基本的な属性
・デイサービス事業者の法人格、規模、タイプ
・デイサービス利用者の要介護度、食事や栄養に配慮が必要な割合
▽デイサービス事業者が、利用者向けに提供している食事・栄養サービスの状況
・提供している食事・栄養サービスの内容
・提供している食事・栄養サービスは充分であると思いますか
▽デイサービス事業者視点での介護食品の商品・サービスの受容性
・介護食品が、食事・栄養に配慮が必要な利用者に適していると思いますか
・介護食品を、デイサービスから提供できるサービスに興味がありますか
《調査結果》
▽デイサービス事業者/利用者の基本的な属性
まず前段として、今回調査のデイサービス事業者と利用者の基本的な属性は次のようになります。
■デイサービス事業者の法人格、規模、タイプ
Q.デイサービス事業者の法人格
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_1.png
Q.デイサービス事業者の規模
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_2.png
Q.デイサービス事業者のタイプ
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デイサービス事業者のタイプ
・1日滞在の従来型:目安として6時間以上滞在し、食事や入浴などの日常生活の介護から、機能訓練やレクリエーション・介護方法の指導などを行う
・半日滞在のリハビリ特化型:目安として4時間未満滞在し、機能訓練や介護予防のためのリハビリテーションを特化して行う
・半日滞在の入浴特化型:目安として4時間未満滞在し、入浴などの日常生活の介護を特化して行う
・(滞在時間を問わず)多機能型:滞在時間はさまざまで、デイサービスを中心に、必要に応じてショートステイや訪問介護などを行う
・デイサービスを運営する法人格は「民間法人」が大多数を占め、その規模(利用者定員)は「小規模(15名未満)」が約半数になります。
・また滞在時間と提供サービスによって分類した事業者のタイプは、トップの「1日滞在の従来型」が54%、続いて「半日滞在のリハビリ型」が31%となります。
■デイサービス利用者の要介護度、食事や栄養に配慮が必要な割合
Q.デイサービス利用者の平均要介護度
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_4.png
Q.食事や栄養に配慮が必要な利用者の割合
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_5.png
・デイサービスを利用する方の要介護の度合いは、「要介護1~3」がボリュームゾーンになります。
・また普段の食事・栄養に配慮が必要な方(嚥下・咀嚼が困難な方や栄養管理が必要な方/食事の摂食に介護が必要な方)の割合は、全利用者の「1割~3割」がよく挙がるケースになります。
▽利用者向けに提供している食事・栄養サービスの状況
次にデイサービス事業者が、食事や栄養に配慮が必要な利用者に向けて、どのような食事・栄養のサービスを提供しているか聴取したところ、事業者のタイプに応じて次のような傾向が見られました。
Q.デイサービス事業者が利用者向けに提供している食事・栄養サービスの内容
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_6.png
・全体で見ると、「食べやすさ/飲み込みやすさ/栄養制限に配慮した食事・飲み物の提供」が上位に挙がりますが、提供するサービスの状況は事業者タイプによって傾向が分かれてきます。
・「1日滞在の従来型」では提供しているサービスの水準が高いのに対して、「半日滞在のリハビリ特化型」の水準は低く、そもそも「食事・栄養サービスを提供していない」ケースも2割となります。
このような事業者タイプによって提供する食事・栄養のサービスが分かれるのは、事業者の競争による差別化と運営の効率化が背景にあります。
まず競争による差別化では、介護保険制度がスタートした2000年からデイサービス事業者も増えていきましたが、その後の要介護人口の増加に伴ってデイサービスを中心とする通所介護の事業者は急激に増加し、2013年時点では全国におよそ4万近くの事業者が申請されています。
通所介護事業者の年次推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_7.png
このように急増する事業者間での競争から、2010年ほどから従来の事業者とはサービス内容が異なる、リハビリに特化した事業者が出てきました。これらの事業者では、機能訓練や介護予防向けのリハビリテーションにフォーカスしてその設備やスタッフの専門性を高め、差別化を図ったのです。
そしてリハビリに特化した運営の効率化では、従来の事業者が行っていた食事や入浴などのサービスを減らし、リハビリ以外の設備やスタッフを削減する事業形態が構築されていきました。
さらに滞在時間の短縮による利用者の回転率アップや、リハビリに特化した運営のフランチャイズ化なども相まって、その利用者数と事業者数を拡大させていったのです。
こういった割り切った事業形態もあるため、「半日滞在のリハビリ特化型」では、必然的に提供する食事・栄養のサービスの内容は少なくなります。
■リハビリ特化型では食事・栄養の未充足ニーズを持ち合わせている
デイサービスに勤務する自身の視点から、食事や栄養に配慮が必要な利用者に対して、勤務先の介護事象者が提供する食事・栄養のサービスは充分であると思うかの問には、次のような結果が見られました。
Q.食事や栄養に配慮が必要な利用者に対して、提供している食事・栄養サービスは充分であると思いますか
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_8.png
・全体での回答傾向は、「あまり充分でない/充分ではない」が35%を占める結果となります。
・事業者タイプ別では食事・栄養サービスの水準が高い「1日滞在の従来型」であっても、現状の提供サービスに未充足を感じている割合は若干数(16%)見られます。
・前述で食事・栄養のサービスの水準が低かった「半日滞在のリハビリ特化型」では、未充足に感じている割合は68%に上ることから、“食事や栄養に配慮が必要な利用者へ適切なサービスを行いたくても、割り切った事業形態のために提供できない”ジレンマを抱えている様子がうかがえます。
調査の後半ではデイサービス事業者からその利用者へ、食事・栄養の未充足を解消する糸口になりうるか、
介護食品の商品・サービスを呈示して、その受容性を検証しました。
■介護食品の商品
・日本介護食品協議会が制定したユニバーサルデザインフードに準じる食品で、食べやすさや飲み込みやすさ、栄養面の強化や制限などが配慮されたもの
・従来の介護食品ほど重々しいものではなく一般の食品に近いもので、要介護の度合いが比較的軽い方(要介護1~2程度)向けのおかずやおやつ
→調査では、管理栄養士が監修した各商品の特徴や使い方、留意点を記載した説明資料を呈示
( 呈示した商品はこちら http://www.motteco.co.jp/products/ )
■介護食品のサービス
・デイサービス事業者に商品と棚を設置して、デイサービスに通う利用者へ介護食品を提供するサービス(配置薬のように商品を置いておいて、利用者が食べる/持ち帰る際にその分の代金が発生)
・外部の専任スタッフが定期的に訪問して商品の補充や棚の整備を行い、デイサービスの通常業務に負担をかけずに食事・栄養サービスを付加する
( 呈示したサービスはこちら http://www.motteco.co.jp/about/ )
▽デイサービス事業者視点での介護食品の商品・サービスの受容性
デイサービス事業者の視点から、呈示した介護食品の商品・サービスを評価する問では、次のような結果が見られました。
Q.これらの介護食品が、食事・栄養に配慮が必要な利用者に適していると思いますか
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_9.png
・全体で見ると、「適している/やや適している」が8割超と大多数を占め、概ねこれら介護食品はデイサービス利用者に合致していると言えます。
Q.これらの介護食品を、デイサービスから提供できるサービスに興味がありますか
http://www.atpress.ne.jp/releases/55332/img_55332_10.png
・デイサービス事業者として、これらの介護食品を提供するサービスに興味を示す反応「興味がある/やや興味がある」は、全体の7割ほどに上ります。
・事業者タイプ別では、提供する食事・栄養サービスの水準が低かった「半日滞在のリハビリ特化型」の方が興味の反応が高く見られます。
これらの結果から、これらの介護食品は商品として食事・栄養に配慮が必要な利用者に概ね合致しており、デイサービスに置くことによって介護食品を提供できるサービスとしても全体の7割近くから興味を持たれました。
特に提供する食事・栄養のサービスが少なかった「半日滞在のリハビリ特化型」からの興味が強く表れていることから、これまで「食事や栄養に配慮が必要な利用者がいても、事業形態ために食事や栄養サービスを提供できなかった」未充足を解消する糸口となる受容性が見られました。
《介護食品の商品・サービスに対するコメント》
■介護食品の商品・サービスに対する意見
調査の最後には、今回呈示した介護食品の商品やサービスに対する意見を自由回答形式で記入してもらうと、次のようなコメントが挙がってきました。
Q.今回の介護食品の商品やサービスに対する意見を、どのようなことでも結構ですので、自由にご記入ください。
・「うちは栄養士さんがいてちゃんと対応しているけれど、自宅で家族の方が食事を提供するには便利(1日滞在の従来型に勤務する 女性57歳)」
・「料理スタッフの負担が減り、嚥下障害を防げることで、介護スタッフの食事介護の負担を減らせてとても助かるサービスが出てきた。(1日滞在の従来型に勤務する 男性53歳)」
・「最近の介護食品は普通に飲食しても美味しそうな物がたくさんあります。(半日滞在のリハビリ特化型に勤務する 女性33歳)」
・「利用者さんにも私達にもお互いに良さそうな製品が出たみたい!!(半日滞在の入浴特化型に勤務する 女性59歳)」
・「介護食を外部に頼む・・・という形で食事を提供する方法がある(1日滞在の従来型に勤務する 女性33歳)」
この調査を振り返り、デイサービス事業者の食事・栄養サービスの状況を見ると、事業者のタイプによって提供するサービスの有無は分かれる傾向が見られました。
しかしながら、食事・栄養サービスを提供しない割り切ったタイプの事業者であっても、利用者には食事や栄養に配慮が必要な方がいるため、適切な食事・栄養サービスを行いたいという未充足ニーズが見えてきました。
そして、それら食事・栄養の未充足ニーズを解消する糸口として、デイサービス事業に付加する“設置型の介護食品の商品・サービス”を呈示して、各事業者からの受容性を検証しました。
今回調査は、当社が介護食品の流通・コンサルティング業務を開始したタイミングで、デイサービス事業者を対象に実施したものになります。
当社では「手に取って実感できる食の楽しみ」を提供することを目的に、介護における食品の情報・流通の最適化を追求する理念の元、今後もこういった調査やレポートなどの情報を発信していくことを予定しております。
■今回調査の実施概要
調査手法 :WEBアンケート調査
調査タイトル:介護食品の評価アンケート
対象者 :首都圏のデイサービス事業者
サンプル数 :240s
実施時期 :2014年11~12月
■会社概要
株式会社モッテコ
所在地 : 〒130-0013 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル14階
代表者 : 代表取締役 高瀬 誠
設立 : 2014年5月29日
事業内容: 介護施設での高齢者向け・介護向け食品の販売(販売支援含む)
高齢者向け・介護向け商材のコンサルティング、
マーケティングリサーチ、プロモーション
URL : http://www.motteco.co.jp/
詳細はこちら
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