美髪の源「ミトコンドリア」を活性化!サラヴィオ化粧品:発毛エネルギーの調節機構を解明
@Press / 2015年5月18日 9時30分
地元の温泉資源を生かし、ヘアケア、スキンケアに関する研究開発を行う株式会社サラヴィオ化粧品(本社:大分県別府市、代表取締役社長:濱田 拓也)は、生体内でエネルギー生産を担う細胞小器官であるミトコンドリアの機能解析を行ってまいりました。
今回、毛包の形成、および、毛周期における成長期誘導因子であるPDGF-AAが毛乳頭細胞において、より多くのATPを産生する線維状ミトコンドリアを誘導することを見出しました。
そして、この研究成果が2015年5月15日付で、国際科学雑誌「International journal of Cosmetic Science(Volume 37, Issue 3)」に掲載されました。
【毛乳頭細胞とPDGF-AA】
毛乳頭細胞は発毛シグナルの司令塔と言われ、常にヘアケア研究の中心的存在です。毛髪のヘアサイクル(成長期 ― 退行期 ― 休止期)は、毛包細胞間のシグナル伝達(細胞増殖因子などのやりとり)によって制御されています。それらのシグナル分子の中で、PDGF-AA(血小板由来成長因子)は、毛包の形成、および、成長期の誘導と維持に重要な役割を担っていることが分かっています。
【ミトコンドリア】
生命活動を維持するにはエネルギーが必要です。生体内のエネルギーとして知られるのがATP(アデノシン三リン酸、Adenosine Triphosphate)で、ミトコンドリアという細胞小器官で作られます。近年、ミトコンドリア研究が大きく飛躍し、多くの病気との関係が報告されています。ミトコンドリアの形態、および、その制御の分子機構が注目されるようになってきました。今後、ますますこれらの詳細が明確になることで、医療、健康分野への応用が期待されています。
【研究の背景】
PDGF-AAが関与する毛包形成や毛周期の成長期では活発な細胞運動や細胞分裂が行われる為、多くのエネルギーが必要です。このような高エネルギー要求性の細胞機能にはミトコンドリアの機能制御が深く関わっていると考えられますが、今日まで推測の域を超えていませんでした。私たちは、毛乳頭細胞においてPDGF-AAがミトコンドリアの形態と機能にどのような影響を与え、それらが細胞機能にどのように関連するのかを検討してきました。
【研究成果の概要】
(1) 毛乳頭細胞には線維状ミトコンドリアと円形ミトコンドリアが共存する
毛乳頭細胞(初代培養)のミトコンドリアを蛍光色素で染色して、蛍光顕微鏡観察したところ、細長い線維状のミトコンドリアと小さく丸まった円形ミトコンドリアの2種類が観察されました。線維状ミトコンドリアのみを持つ毛乳頭細胞、および、円形ミトコンドリアのみを持つ毛乳頭細胞は共に全体の約3割で、残りの細胞では、両タイプが混在することが明らかになりました。
(2) PDGF-AAは線維状ミトコンドリアの割合を増やす
毛包の形成と毛周期の制御に関わるPDGF-AA(血小板由来成長因子)が、線維状ミトコンドリアを持つ毛乳頭細胞の割合を濃度依存的に増加する事を見出しました。
(3) PDGF-AAはミトコンドリアの酵素活性を促進しATP生産を増強する
PDGF-AAはミトコンドリアの酵素活性、および、ATP生産活性を促進する事が判明しました。この酵素活性とATP生産活性には極めて高い線形性が認められた事から、PDGF-AAはミトコンドリアを活性化させることにより、ATP生産を促すことが示唆されました。一方、PDGF-AAは、毛乳頭細胞の細胞増殖活性、ミトコンドリアの膜電位には影響を与えませんでした。
(4) PDGF-AAは毛乳頭細胞の遊走活性を高める
スクラッチアッセイにおいて、多くのエネルギーを必要とする細胞の遊走時には、線維状ミトコンドリアが優位になることが判明しました。また、PDGF-AA添加によりさらにその割合が増加し、毛乳頭細胞の運動活性も顕著に高まることが分かりました。この作用は、上記のPDGF-AAによるミトコンドリア活性化機構に基づくと考えています。
(5) 線維状ミトコンドリアが遊走中の毛乳頭細胞を支配する
スフェロイド(細胞塊)内の毛乳頭細胞では、円形ミトコンドリアが支配的であるのに対して、スフェロイドから遊走する毛乳頭細胞では、線維状ミトコンドリアが著しく増加することが判明しました。また、毛乳頭細胞は遊走時には、ATPをより多く産生する線維状ミトコンドリアを利用することが示唆されました。
【今後の研究】
今回、毛周期を司る毛乳頭細胞におけるミトコンドリアの制御機構の仕組みの一部が解明されました。今後もミトコンドリアの形態と機能、および、それらを制御する因子を網羅的に特定し、脱毛症をはじめとする各種疾患との関係を模索していく予定です。また、当社独自の温泉原料である加水分解酵母エキスが、ミトコンドリアの機能制御を介して細胞を活性化する事が判明しております。今後、これらを用いたヘアケア、スキンケア商品の更なる開発を進めていきます。
【発表者】
御筆 千絵、加世田 国与士
(いずれもサラヴィオ化粧品サラヴィオ中央研究所)
【発表した資料(抜粋)】
<毛乳頭細胞には線維型および円形ミトコンドリアが存在する>
http://www.atpress.ne.jp/releases/57108/img_57108_1.gif
<遊走中の毛乳頭細胞内では線維状ミトコンドリアが支配的である>
http://www.atpress.ne.jp/releases/57108/img_57108_2.gif
■会社概要
名称 : 株式会社サラヴィオ化粧品
本社所在地 : 大分県別府市大字鶴見1356-6
東京支社 : 東京都港区虎ノ門4-1-6 第二大石ビル4階
代表者 : 代表取締役社長 濱田 拓也
設立 : 2006年7月20日
資本金 : 6,300万円
業務内容 : 温泉酵素研究、温泉藻類研究、
医薬部外品、化粧品の製造販売
ホームページ: http://www.saravio.jp
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