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親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響を発表 経済水準が下位3分の1の世帯は、青年期の子どもの肥満の割合が3倍と判明

@Press / 2015年6月4日 10時30分

 日本医科大学 衛生学・公衆衛生学(所在地:東京都文京区)の可知 悠子助教らは、「親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響」に関して、全国から無作為抽出した794名の6歳から18歳の子どもを対象に分析を行いました。青年期(12歳から18歳)の肥満の割合は、家計支出が下位3分の1の世帯では15.1%、上位の世帯では4.8%と、約3倍の差があることが明らかになりました。この研究結果は2015年5月23日(土)に「Journal of Epidemiology」オンライン版にて発表したものとなります。
 ※本研究は「平成24-27年度科学研究費補助金 若手研究(B)(24790516)」の助成を受けております。


■親の経済格差が子どもの肥満に及ぼす影響に関する研究の概要
1.背景
 子どもの貧困が社会問題になる昨今、親の経済状況が悪いと子どもの健康が悪くなるのではないかと懸念されています。欧米では親の経済状況が悪いほど、その子どもが肥満になるリスクが高くなることが多数報告されていますが、わが国ではこれまで同様の報告がありませんでした。

2.研究方法
 厚生労働省が全国規模で無作為抽出により実施している、国民生活基礎調査と国民健康・栄養調査に参加した学童期(6-11歳)と青年期(12-18歳)の各397名の子どもを対象に、親の経済状況によって肥満の割合が異なるかどうかを分析しました。

3.解析結果のポイント
・学童期の49名(12.3%)、青年期の36名(9.1%)が肥満の基準(注1)に当てはまりました。
・青年期では、世帯を月間の家計支出額に基づいて3群に分けた場合、下位3分の1の世帯(平均家計支出額:16.5万)では、上位の世帯(45.2万)と比較して、肥満の割合が3.4倍高いことが明らかになりました(調整後オッズ比3.40:95% 信頼区間1.20-9.60)。
・学童期では、家計支出が下位3分の1の世帯(平均家計支出額:15.0万)と上位の世帯(39.0万)との間に、肥満の割合に有意な差はみられませんでした(調整後オッズ比1.45:95% 信頼区間0.64-3.26)。

(注1) 子どもの肥満は世界的に用いられている International Obesity Task Force の基準により定義しました。肥満はBMIに基づいて定義され、そのカットオフ値は性・年齢別に、成人のBMI 25kg / m2に相当するように推定されています。

4.発表雑誌
雑誌名 :Journal of Epidemiology 2015 May 23
タイトル:Socioeconomic status and overweight: a population-based
     cross-sectional study of Japanese children and adolescents
著者名 :Yuko Kachi, Toshiaki Otsuka, Tomoyuki Kawada
DOI番号 :10.2188 / jea.JE20140108


図1.月間の家計支出と肥満との関係
https://www.atpress.ne.jp/releases/62957/att_62957_1.pdf


■月間の家計支出額の平均値
(学童期)低:15.0万円  中:24.2万円  高:39.0万円
(青年期)低:16.5万円  中:27.6万円  高:45.2万円

■世帯人数を調整した月間の家計支出額の平均値
(学童期)低:7.1万円  中:11.7万円  高:18.8万円
(青年期)低:7.7万円  中:13.3万円  高:22.5万円
※論文では、世帯人数を調整した月間の家計支出額をもとに、世帯を3群に分けた。
 世帯人数の平均値は4.4名であった。

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press

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