【NYオートショー2013】フェイスリフトした「シボレー カマロ」に、伝統の「Z/28」が復活!

Autoblog JP(オートブログ) / 2013年3月28日 20時30分

【NYオートショー2013】フェイスリフトした「シボレー カマロ」に、伝統の「Z/28」が復活!


GM(ゼネラル・モーターズ)は27日、ニューヨーク国際オートショーにおいて「シボレー カマロ」のフェイスリフトを発表。同時にカマロ史上最もサーキット走行性能が高い「カマロ Z/28」を初公開した。1960年代にレースで活躍した伝説の名前が復活だ。

Gallery: 2014 Chevrolet Camaro Z/28: New York 2013 Photos


 

Gallery: 2014 Chevy Camaro Z/28 Photos


 
2006年にコンセプトカーとして発表されるとすぐに大反響を巻き起こし、2007年公開の映画『トランスフォーマー』出演を経て2009年から待望の市販が始まった現行型5代目シボレー カマロ。今回主にその外装に、初めての大掛かりな変更が施された。フロント・バンパーの開口部は大きく拡大、逆にヘッドライトの間のグリルは幅が狭められている。V8搭載モデルのボンネットにはエア・ベントが設けられ、冷却性能と空力性能が向上しているという。トランクリッドには特徴的なスポイラーが備わり、テールランプとディフューザーの形状が変更された。「RSパッケージ」を選べば「ハロー・リング」(いわゆるイカリング)付きHIDヘッドライトを装着することも可能だ。

エクステリア・デザイン・ディレクターのトム・ピーター氏によれば、これらのデザイン変更は「機能と美しさの両方を満たすことを追求した結果、本物のシボレーらしさを身に付けることが出来た。それはすなわち、シンプルでパワフルで誠実、そして期待以上のものであるということ」だという。




Gallery: 2014 Chevy Camaro SS Photos


 

Gallery: 2014 Chevrolet Camaro SS: New York 2013 Photos


 
さらにサーキット走行における性能強化に焦点を当てて開発されたカマロ Z/28には、ダウンフォースを向上させるためフロントのアンダーボディ・パネルからスプリッタが突き出し、リア・スポイラーとディフューザーは大型化されている。前後フェンダー・アーチにはフレアが装着され、それを結ぶように取り付けられたサイドスカートによって空力によるスタビリティが増加しているそうだ。




1967年に初代カマロに設定されたオリジナルのZ/28(下の画像)は、SCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)トランス・アメリカン・チャンピオンシップの2.5リッター以上クラスを制覇するため製作された生粋のサーキット・レーサーだったが、今回新たに復活したZ/28は特定のレース・シリーズ参戦を目的とするのではなく、法的に公道走行が可能なまま、サーキット走行のパフォーマンスを極限まで上げることが目標。つまり軽量化とシャシー・バランスの最適化、コーナリングとブレーキ性能の強化、ダウンフォースの向上などに重点を置き開発が行われた。



現行型カマロには「ZL1」というスーパーチャージャー付き6.2リッター・エンジンを搭載した高性能モデルが存在するが、Z/28は敢えてそれよりパワーが落ちることを承知で、より軽量コンパクトで高回転型の「コルベット Z06」用自然吸気7.0リッター「LS7」エンジンを採用。GMでスモール・ブロックを担当するジョーダン・リー氏によると「LS7の豊かなトルク曲線と高いレブリミットは、サーキット周回中に必要なシフト・チェンジの回数を減らすことが出来ます。また軽量コンパクトであるため最適な前後重量配分を実現し、ハンドリング性能を高めることが出来ました」と語っている。

この「コルベット・レーシング」の協力によって開発された7.0リッターV型8気筒エンジンには、チタニウム製インテーク・バルブとコネクティング・ロッド、ナトリウム封入エキゾースト・バルブ、CNCポート研磨済みシリンダー・ヘッド、鍛造クランクシャフト、ハイリフト・カムシャフト、ドライサンプ・オイル・システムなどの技術が投入され、500馬力以上の最高出力と64.9kgmの最大トルクを発揮。吸気系にはレーシング・スタイルのインダクション・システムとK&N製大型エア・フィルターを装備し、排気系はデュアルモード・エキゾースト・システムと大口径エキゾースト・パイプを採用。加速中はマフラーがバイパスされ強大なトルクとサウンドの両方が楽しめるという。



組み合わされるトランスミッションは初代Z/28同様、3ペダルのマニュアルのみという設定。ただしトレメック製TR6060ギアボックスは6速まで刻まれ、ヘリカルLSDを標準装備。これと同調して作動する「パフォーマンス・トラクション・マネージメント」システムは、スロットルとブレーキに介入する度合をドライバーが調整することが可能だ。

足回りにはレース対応のスプール・バルブ式ダンパーを市販車として初めて採用。これまでのダンパーは伸び側と縮み側の2カ所しかチューニングできなかったが、スプール・バルブ式ダンパーは伸び・縮みに加えてそれぞれホイールの回転が高速時および低速時と、合計4つの設定が可能になったという。これにより乗り心地を犠牲にすることなくダンパーの剛性を上げることが出来たそうだ。



足元の鍛造アルミ・ホイールもZL1で採用している20インチではなく、より軽量で低重心化が図れる19インチを敢えて選択。ZL1に比べると4本で19kg軽く、33mm重心が低いという。装着されるタイヤは、これも市販車で初めてピレリの「P ゼロ トロフェオ R」タイヤを採用した。サイズは前後とも305/30ZR19。量産車で最もワイドなフロント・タイヤということになるらしい。

このピレリ製超高性能タイヤのグリップを最大限に発揮するため、ブレーキはブレンボ製カーボン・セラミック「マトリックス」ローターとモノブロック・キャリパーを採用。フロントは394mm×36mmローターに6ビストン・キャリパー、リアは390mm×32mmローターと4ピストン・キャリパーの組み合わせだ。同サイズの2ピース鉄製ローターに比べ、一台分で12.5kgほど軽量だという。フロント・ブレーキには冷却ダクトが備わり、周回を重ねても変わらないブレーキ・フィールを維持し続けることが出来るそうだ。



また、現代のZ/28も、その名前に見合うだけの軽量化に心血が注がれ、ZL1に比べると全体で136kg以上も軽くなっているという。内装の防音材やトランク・ルームのカーペットは省略され、バッテリーは標準のLN4型に替えてより軽量で小さなLN3型を採用。リア・ウインドウのガラスも標準モデルのそれより0.3mm薄い3.2mmとなっている。エアコンはオプション扱いとし、HIDヘッドライトやフォグランプは装着不可。オーディオ類も撤去されているが、シートベルト警告用チャイムのために1つだけスピーカーが残されているそうだ。これら省略された電装系装備のためのワイヤー類も全て撤去し、重量をセーブしているという。後部座席はトランクスルー機構をなくすなどの改良により4kgほど軽量化。なぜいっそ取り払ってしまわなかったのかといえば、「シボレーには2シーター・モデルとしてコルベットがあるので、カマロは2+2シーター・レイアウトであることが重要だと考えているから」だとか。




以上のようなサーキット走行向けの多岐にわたるチューニングにより、Z/28は最高出力で80馬力近くも上回るZL1よりも、ラップタイムが「3秒速い」という(どこのコースで、とは明言されていないが)。チーフ・エンジニアのアル・オッペンハイザー氏によれば、「ZL1はストリートでも、ドラッグ・レースでも、サーキットでも並外れたパフォーマンスを発揮します。Z/28は完全にサーキットのみに焦点を絞ったモデル。多くのドライバー達にとっては、サーキット走行に特化し過ぎかも知れません。しかしレース指向の強いドライバーには、サーキットにおいて最も高い性能を発揮できるメーカー製市販車の中の1つになるといえるでしょう」とのことだ。ポルシェ 911でいえば「ターボ」と「GT3」のような位置づけになるのだろう。

インテリア・トリムは「オクタン」と呼ばれるマット・メタリック仕上げ。マイクロファイバー・スウェードが張られたレカロ製シートのヘッドレストにはZ/28のロゴが入るが、このシート自体はSSとZL1でも選べるらしい。重量軽減のため、調整は手動式となっている。




発売は2014年型標準モデルのカマロよりも少し遅くなるらしく、「2014年春にアメリカ国内のサーキットで開催されるイベントでは見られる」予定だとか。

前回ご紹介した「SRT ヴァイパー TA」もそうだが、500馬力オーバーが珍しくなくなった現在の高性能スポーツカーにおける今後のトレンドは、これ以上際限なくエンジン・パワーを引き上げるよりも、サーキット走行におけるパフォーマンスを競い合うような、軽量化やハンドリング重視の傾向になっていくのかも知れない。

ギャラリーではカマロ Z/28と標準モデルである2014年型カマロ SSの写真を、そしてV8サウンドや発表会の様子も動画でどうぞ。ところで、4作目の『トランスフォーマー』ではバンプルビーのフロント・グリルやテールランプも変更されるのだろうか...?


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