【今週の名車・番外編】60年前から作り続けられているロシア製バン「UAZ-3909」(前編)

Autoblog JP(オートブログ) / 2018年9月24日 19時0分



自動車ライターという仕事柄、これまでに内外のさまざまなクルマに試乗する機会に恵まれてきた。そんな筆者がステアリングを握ったクルマの中でも、強烈な印象を残したのがロシアのUAZ(ワズ/ウアズ)-3909である。
旧共産圏のメーカーということもあり、日本での知名度は皆無に等しいが、UAZこと「ウリヤノフスク自動車工場」(Ul'yanovskiy Avtomobil'nyy Zavod)は、旧東側諸国や中近東、アフリカなどの発展途上国で確固たる市場を持つクロスカントリー車専門メーカーである。

同社の前身となったのが、1916年に設立された「モスクワ自動車工場」(AMO:Avtomobilnoe Moskovskoe Obshchestvo)で、31年に米国の自動車メーカーの支援を受けて「第2スターリン記念工場」(ZIS:Zavod Imeni Stalina)として改組し、第2次世界大戦前はKV-1重戦車(上の写真:左)に搭載された76.2mm戦車砲などの各種兵器のほか、ZIS-5(上の写真:右)やZIS-6などのトラックや、共産党高官のために米国製高級車パッカードのライセンス生産(のちに高級車製造はZILに移管)などを行っていた。

しかし、1941年6月に独ソ戦(ロシアでは「大祖国戦争」と呼称)が勃発すると、生産拠点を現在UAZ本社のあるボルガ河流域のウリヤノフスク市に疎開し、戦時中は軍用トラックを生産して祖国の勝利に貢献した。戦後、UAZと改名した同工場は、GAZで開発されたジープタイプの四輪駆動車GAZ-69(上の写真)の生産を皮切りに四輪駆動車専門工場となり、軍用車輛だけでなく、民間向けの車輛も生産するようになった。

そして、91年のソ連崩壊後は民間自動車メーカーのUAZ社となり、50年代に開発されたGAZ-69の改良型であるジープ型のUAZ-469(上の写真)と、同車をベースとしたキャブオーバー型バンのUAZ-452(下の写真)の生産を継続。2000年に鉄鋼メーカー・セヴェルスターリの傘下に入ってからは、日本のトヨタやいすゞ自動車、ドイツのVWと提携し、新型SUV・パトリオットなどを発表。民間市場向けのニューモデルの開発にも余念がない。

日本市場には正規代理店の岩本モータース(UAZジャポン)の手により、2005年からUAZ-452のマイチェン版であるキャブオーバーバンのUAZ-3909と、同車から派生したカーゴトラックのUAZ-3303(下の写真)が50台程度輸入されている。

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