「もう図書館で働けない」 非正規雇用で10年働いた司書が天職を辞めようと思った理由

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月14日 10時4分

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「仕事は本当に好きで天職だと思う。でも食べていけない」。ある図書館の司書の女性(ツイッター名「よるこ」さん)が投稿したツイートが波紋を広げている。女性は大学を卒業後、3つの図書館で合わせて10年以上、働いてきた。しかし、待遇はすべて非正規雇用。給与は正規職員の半分に及ばず、金銭的な困窮から「これ以上働くことは無理」と転職を決意した。

今、公立図書館で働く職員のうち、約7割が非正規雇用という。日本図書館協会の統計によると、1998年に約8千人だった非正規職員は、2018年には約3万人にまで増えている。1998年当時は全体の5割以下だったにも関わらず、この20年間で激増しているのだ。

背景には、自治体の財政難がある。厳しい財政で人件費を削りたい自治体は、次々と職員の非正規雇用化を進めてきた。その結果、図書館の現場では今、何が起きているのか。そして、これから何が起きると予想されるのか。図書館の司書では「食べていけない」とツイートした女性に話を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●子どもの頃から夢だった司書になったが……

発端は、このツイートだった。

「私気づいたら10年以上司書やってんだな。

大学卒業後、非正規だけど憧れの図書館で働いて、そこから3つの図書館で働いてきた。今年度で3館目の契約が満期になる。

真剣にこの先の人生を考えるともう図書館で働くのは終わりにしないといけない。仕事は本当に好きで天職だと思う。でも食べていけない」

ツイートしたのは、比較的大きな地方都市で暮らす司書の女性(30代)だ。子どもの頃から、司書になるのが夢で、中学卒業の時に書いた「将来の夢」も司書だった。本格的に司書になろうと決心したのは、大学生の時。アルバイトである公共図書館のカウンター業務を経験、やりがいを感じて図書館で働きたいと思うようになったという。

大学で司書資格を取り、卒業後はまず大学図書館で契約職員として働き始めた。その後、自治体の公立図書館の司書となり、レファレンスや児童サービスなどの仕事を任され、充実した経験を積めたが、やはり立場は非正規のままだった。この図書館では「雇用年限なし」と言われていたが、自治体直営から指定管理者が導入されることになり、辞職を余儀なくされた。

現在は、3館目である大学図書館で契約職員として働いている。女性は司書という仕事について、「天職」と考える理由をこう語る。

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