ハラスメント対策のカギは「おじさん活躍推進」、敵視するより意識改革 白河桃子さんに聞く

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月17日 9時41分

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昨年は#metooの盛り上がりから、財務省のセクハラ事件があり、今年5月、職場のパワーハラスメントの防止を企業に義務付ける、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)も成立しました。初めてパワハラを定義し、上下関係を背景にしたパワハラは許されないと明記し、2020年4月から施行されます。

国際労働機関(ILO)も6月に職場のハラスメント禁止条約を採択し、セクハラパワハラともに、法制度は整備されつつありますが、企業の現場では今後、どう防止策や意識改革を進めていかなければならないのでしょうか。

「ハラスメントの境界線」(中央公論新社)の著書があるジャーナリストの白河桃子さんは「これまでハラスメントというと、ハラッサーサイド、主におじさんを敵視する傾向がありましたが、今後は、彼らがハラスメントへの意識をアップデートし、活躍できる『おじさん活躍推進』の環境を作ることも大切になってきます」と話しています。(ライター・国分瑠衣子)

●昭和の普通は、令和の炎上

――「ハラスメントの境界線」では、企業がどうセクハラ・パワハラを防ぐかについて解説しています。

個人ではなく、職場という領域で課題を解決するためにはどうするべきかという観点で書きました。ハラスメントの境界線は、時代とともにどんどん変わっていくのでアップデートが必要です。少し前、大手化学メーカーのカネカで、育休明けの転勤問題が「パタハラ(パタニティハラスメントでは?)と炎上しましたが、会社側は「問題はなかった」という見解を示しました。会社サイドは悪気はなく、今まで通りの対応をしただけだと思いますが、私は「昭和の普通は、令和の炎上」と言っています。会社側の「個人の事情に斟酌していられない」という考え方をまずはアップデートしてほしいのです。

また、企業が今、一番変わってほしいと思っているのが45歳以上のおじさんです。「おじさんは、働き方改革の邪魔をする」と捉えられがちですが、若者や女性だけではなく、あと20年は会社で働き続けるおじさんも活躍できるようにしなければなりません。

ハラスメント対策では、被害を受けた人をサポートする場はたくさんありますが、加害側の「クラッシャー上司」や「超セクハラおじさん」を変える仕組みづくりも必要です。パワハラ、セクハラをしやすい人はいますが、その人が全てハラスメントを起こすのではなく、ハラスメントしやすい場に行って初めて被害が起きる。組織や構造の問題として捉えてほしい。

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