あおり殴打の男性「出頭する」と主張するも逮捕…「指名手配」だったら仕方ない?

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月19日 18時9分

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茨城県守谷市の高速道路で「あおり運転」をして、20代男性が運転する車を停車させて、「殺すぞ」と怒鳴りながら、顔を殴ってケガさせたとして、会社役員の40代男性が8月18日、傷害の疑いで逮捕された。茨城県警に指名手配されていた。

報道によると、男性役員は8月18日、大阪市内のマンション近くの駐車場で、張り込んでいた茨城県警の捜査員に身柄を確保された。テレビ局のカメラが、その様子をとらえている。 サングラスとマスクをつけた男性役員は、携帯電話を片手に次のように主張している。

「ちょっと待ってください。自ら出頭するっていうことを今(警察署に)電話してますので。今から行きますので。自分の意思で。後ろを張り付くように付いてきてください。ホントに。ホントに。逃げも隠れもしません」

このあと、捜査員ともみあいになり、警察車両で連行され、さらに茨城県に移送されている。「殴ったことは間違いない」と容疑を認めているということだが、今回のように、指名手配されていた人が「出頭したい」と言っても認められないのだろうか。

刑事事件にくわしい神尾尊礼弁護士に聞いた。

●指名手配されても「出頭」することはできる

まず、指名手配の法的性質について押さえる必要があります。

指名手配とは、法律上の制度ではありません。捜査機関の内部規則に定められているものです。内部規則の1つである『犯罪捜査規範』で、「逮捕状の発せられている被疑者の逮捕を依頼し、逮捕後身柄の引渡しを要求する手配」と定義されています(同31条)。

少しむずかしいですが、要は、ほかの警察署等に逮捕するよう要請して、捕まえたら送ってもらう(場合によっては引き取りに行く)よう、お願いする手続きと考えればよいでしょう。

指名手配は、あくまで捜査機関の内部手続きですので、被疑者が出頭できなくなるわけではありません。指名手配がされてもなお、被疑者は任意に出頭することができます。

●「自首」にはならない

ただ、このような任意の出頭がすべて「自首」になるわけではありません。

自首は、法律に定めがあります。「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」とされています(刑法42条1項)。したがって、刑の減軽がありうるのは、「捜査機関に発覚する前」におこなう必要があります。

この「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実が発覚していない場合や、犯人が誰かわからない場合を指します(最高裁判決昭和29年7月16日)。

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