氷河期世代、「後から正社員」になれても「新卒から正社員」と130万円の年収格差

弁護士ドットコムニュース / 2019年8月21日 9時51分

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政府が就職氷河期世代の就労をサポートする中、労働政策研究・研修機構(JILPT)は7月、都内で労働政策フォーラム「『就職氷河期世代』の現在・過去・未来」を開催した。フォーラムでは、就職氷河期世代の実態が報告され、その支援策が議論された。就職氷河期世代とは、政策的には1993〜2004年に卒業を迎えた世代とされることが多く、おおむね30代後半から40代前半の世代を示す。

報告によると、就職氷河期世代は、後から正社員になった人の割合が他の世代に比べて多いが、新卒から正社員の人に比べて収入が低いなどの傾向があった。また、今後、この世代は子どもの教育や老後の備えなどで困難が増えるという予測がされた。

フォーラムでは、ニート研究の第一人者として知られる東京大学社会科学研究所の玄田有史教授も基調講演を行った。現在、引きこもりが長期化して50代の子を80代の親が支える「8050」問題が深刻化しているが、玄田教授は、就職氷河期世代の無業状態の人が中年ニート化していることから、将来の「8050問題の予備軍」と指摘。高齢の親と就職氷河期世代の子が同じ職場で働くことを可能にする「親子ペア就業」を提案、従来の福祉の枠を超えた地域包括ケアシステムの担い手として、就職氷河期世代に期待を寄せた。

●「他の世代に比べて、キャリアが明らかに不安定」

フォーラムではまず、「問題提起」としてJILPTの堀有喜衣・主任研究員から、就職氷河期世代の全体像について報告があった。

報告によると、氷河期世代の男性(高卒で30〜39歳、大卒で35〜44歳)のデータから浮かび上がる特徴として、「上の世代や下の世代に比べて、キャリアが明らかに不安定」であり、「後から正社員になった人も多い一方、平均年収はずっと正社員の人の平均年収530.7万円に比べ、400.7万円と130万円低く、労働市場に入った時の状況が今日の収入にも影響している」と指摘した。

また、就職氷河期世代のニート38.9万人(35〜44歳)のうち、「就業希望あり」は16.4万人で、求職活動をしない理由は「探したが見つからなかった」「希望する仕事がありそうにない」という人たちについては、「一定の支援が働くと思われる」とした。一方で、「就業を希望しない」人も22.1万人いた。このうち、約半数が就業を希望しない理由を「病気やけがのため」としており、「こうした人たちがすぐに就業することは難しい」と推測している。

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