ネットの影響で「自殺願望」は高まった? 20年追い続けてきたライター・渋井さんの見方

弁護士ドットコムニュース / 2019年9月18日 10時21分

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ちょうど2年前、神奈川県座間市のアパートの一室で、若い男女9人が殺害される事件が起きた。もう忘れた人も少なくないかもしれないが、被害者となった女性たちは、ツイッターなどで、「一緒に死んでくれる人を探している」「死にたい」と書き込んでいた。

「インターネットは、若者たちの『居場所』になりうるのか?」。出会い系サイトやSNSによる「売買春」、一緒に死ぬ仲間を募った「集団自殺」、裏サイトの「いじめ」など、ネットが絡んだ事件を20年以上取材してきたライターの渋井哲也さんはこう問いかける。

渋井さんは9月上旬、『ルポ 平成ネット犯罪』(ちくま新書)を上梓した。この中で、渋井さんは、座間市の事件で逮捕・起訴された白石隆浩被告人と接見したときの様子も描いている。白石被告人も、ツイッターを使って、被害者を誘い出したとされる。

ネットは日常生活に欠かせないツールとなっているが、犯罪に巻き込まれるケースも増えているようにも思える。さらに、一部の人にとっては、むしろ「生きづらさ」を強化してしまう側面もあるのではないだろうか。渋井さんにインタビューした。

●「本音をさらけ出せる居場所だった」

――ネット絡みの事件を取材しはじめたきっかけは?

取材をはじめた1990年代後半から2000年代初めは、携帯電話の利用者が急速に増えて、出会い系サイトや、メル友募集のサイトが乱立していたころです。知らない人同士が出会うという状況ができあがり、児童買春や誘拐につながるような事件も発生していました。そういう中で、掲示板やウェブ日記を使って、自分の気持ちを吐き出している若者たちがいました。彼・彼女たちの心境に関心を持ったのがきっかけです。

――どういう「気持ち」が吐き出されていたんでしょうか?

「家にいたくない」「学校にいきたくない」「死にたい」など。今ならSNSに投稿されているような内容です。ウェブ日記がコミュニティになっていて、共感した人があつまってくる。そこから派生して、別の人が新しいウェブ日記をつくったりして、さらにコミュニケーションが活発になっていく。そんな感じでした。

2000年代前半からは、自傷行為の写真や、家族関係・学校の悩みも投稿されるようになりました。一方で、そんな「生きづらさ」を抱えている人を狙って近寄ってくる人たちがいて、性犯罪などの事件も起こりました。

――ツイッターなど、SNSの登場はどういう影響がありましたか?

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