妻に不倫された夫が「もう一度、ホテルへ行って来て」と言った理由

弁護士ドットコムニュース / 2019年9月21日 8時50分

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「子どもが三人いるのに妻の軽はずみな行動で一家が崩壊寸前です」。妻の不貞行為が発覚した男性から、こんな悲痛な相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

妻の「自白」によって発覚した今回の不貞行為。相手の男性とはいきつけの店で出会ったそうで、男性は妻が既婚で子持ちであることも知っていました。

相談者は、男性への慰謝料請求を考えていますが、不貞行為の証拠がありません。そこで、再度相手と引き会わせ、不貞証拠を押さえるかどうかを検討しています。妻は反省しており離婚する気もないことから、妻と画策し、もう一回ホテルに一定時間以上いてもらう作戦のようです。

「このまま泣き寝入り状態にしたくないんです。修復手段として自分に慰謝料請求ですっきりしようと決めているのです」と吐露する相談者。不貞行為の証拠を取るために、再び会う方法は有効なのでしょうか。澤藤亮介弁護士に聞きました。

●「もう1回ホテル」は法的リスクが大きい

ーー驚きの相談ですが、結論から言って、どう考えますか?

このような作戦を取りたいとのお気持ちは分かりますが、結論的には止めた方がよろしいかと思われます。

ーーなぜでしょうか

まず、妻と画策してもう1度ホテルに誘い込む行為自体は、倫理的な問題はさておき、法的には相手方に特定の行為などを強要しているものではないので刑法上の強要罪や、民事上で不法行為が成立するとまでは通常言えないでしょう。

ただし、この作戦にかかってしまった相手方からすれば、いわゆる「美人局」にはめられたと考え、後日、相談者から相手方に対し不倫慰謝料請求をした場合、逆に相手方から刑法上の恐喝罪にあたるなどと捜査機関に相談されたり、民事上の慰謝料請求をされたりするリスクが生じ得ます。

●妻の陳述書などで立証できる

ーーでも、証拠がないと慰謝料請求できないのでは?

実際の不倫慰謝料請求の交渉事件や訴訟事件においては、相手方が不貞行為の事実関係を争ってこないこともあります。その場合には、慰謝料を請求する上で不貞行為を立証する証拠は、必要ではありません。

また、仮に相手方が不貞行為の事実関係を否定してきた場合であっても、妻が協力する姿勢なのであれば、妻からの自白(録音や署名押印した陳述書など)、相手方とのメールやLINEなど他の証拠が一定程度入手できるはずです。こうした証拠を用いて、不貞行為があったことを立証は十分可能と言えます。

ーーもう1回ホテルに行ってもらう作戦は、しなくていいということですね

妻から取得できる証拠の数や内容にもよるかと思いますが、自らが法的リスクを負う可能性があるような行為は、不貞行為の動かぬ証拠の取得という目的達成のためとはいえ、あまりに危険な行為と思われます。

このような作成を実行する前に、手持ちの証拠で慰謝料請求ができるかなどについて、法律相談を受けていただく方が確実でしょう。

【取材協力弁護士】
澤藤 亮介(さわふじ・りょうすけ)弁護士
東京弁護士会所属。離婚、男女問題などを中心に取り扱う。自身がiPhoneなどのデバイスが好きなこともあり、ITをフル活用し業務の効率化を図っている。日経BP社『iPadで行こう!』などにも寄稿。
事務所名:東京キーウェスト法律事務所
事務所URL:https://www.keywest-law.com

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