「日本の人権は危機に晒されている」 国際人権NGO事務局長が語る「課題」とは?

弁護士ドットコムニュース / 2013年12月8日 21時16分

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12月10日は「世界人権デー」だ。人種差別や女性差別、人身売買、難民、子どもの権利など、一口に「人権問題」といっても幅広い。日本国憲法にも、表現の自由や信教の自由、教育を受ける権利など、さまざまな人権が盛り込まれている。

しかし今年5月、ジュネーブで行われた国連拷問禁止委員会では、日本の警察や検察の取り調べに弁護人の立ち会いがないことなどが問題視され、日本の刑事司法は「中世」のものだと揶揄された。これはネットでも話題になったが、世界レベルからみると立ち後れている分野は他にもありそうだ。

日本が海外から「改善すべき」と指摘されている「人権問題」は、どのようなものがあるのだろうか? 国際的な人権保障活動に携わる伊藤和子弁護士に聞いた。

●国連の勧告にもかかわらず、改革は進んでいない

「日本の人権保障は、国際的なスタンダードからはるかに後れています」

伊藤弁護士はこのように指摘する。具体的にはどんな点で「後れている」のだろうか。

「たとえば、えん罪を生み出している刑事裁判のあり方については、国連から何度も改善を勧告されているのに、取調べの可視化などの改革は遅々として進みません。

また、過労死やブラック企業に代表される日本の長時間過酷労働も、人権問題として国連から改善を求められて久しい問題です。

さらに、人種差別等の差別を禁止する法律もなく、最近では外国人への悪質なヘイトスピーチ・デモが横行し、政府はマイノリティを守る対策や法規制を怠っています」

国連からも色々な勧告や要請などを受けているが、それにもかかわらず、うまく状況を改善できていないという。伊藤弁護士は他の問題にも言及する。

「女性の地位を向上させるためのポジティブ・アクションなどの対策もあまりに不十分です。

東日本大震災、原発事故後の被災者の人権も軽視されています。今年5月には、国連特別報告者が、福島原発事故後の対応について政策を抜本的に改めるよう勧告しましたが、政府はこれに従うことを拒絶しています」

●「私たちひとりひとりの自由に関わること」

こうした状況は、改善されつつあるのだろうか? 伊藤弁護士は、むしろ今のままでは、逆の事態に進みかねないと懸念を表明する。

「政府は12月6日、多くの国民の反対や懸念にも関わらず、強行的な方法で『特定秘密保護法』を成立させました。広範な政府情報を秘密とし、これに近づく者には厳罰を科す内容です。この法律によって、国民の知る権利が著しく侵害され、メディアの取材・報道の自由や、市民社会の自由な活動までもが処罰の標的になりかねません。

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