「会社の忘年会には出たくない!」 参加を命じられたら「残業代」を請求できる?

弁護士ドットコムニュース / 2013年12月18日 13時30分

写真

関連画像

師走を迎え、忘年会のシーズンとなった。どの職場でも年末の恒例行事として参加するのが当たり前となっているだろうが、なかには忘年会を苦痛に感じている人もいるようだ。

ネットの掲示板には「忘年会の出欠席に×を入れる・・・それだけでプレッシャー」という書き込みや、「忘年会に行きたくない」というコメントが多数投稿されている。あるQ&Aサイトでは、特別養護老人ホームで介護士として働いているという人から「会社の忘年会は絶対参加ですか?」という悩みが寄せられていた。

このように忘年会が苦手だという人にとっては、もはや仕事と同じといってよいのだろう。そうだとすれば、もし職場の忘年会に「必ず参加しなければいけない」と会社から指示されたら、その分の「残業代」を会社に請求できるのだろうか。労働問題にくわしい靱純也弁護士に聞いた。

●ポイントは、会社の「指揮命令下」に置かれているかどうか

「忘年会に参加させられた時間が労働時間にあたると判断される場合、残業代を請求することが可能です」

このように靭弁護士は答える。

「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていると、客観的に判断される時間をいいます。たとえ労働者が実作業を行っていない時間でも、労働からの解放が保障されていない場合には、使用者の指揮命令下に置かれていると考えられています」

問題は、忘年会への参加した時間が「労働時間」にあたるのかどうか、という点だ。

「忘年会に必ず参加するよう会社から指示された場合、労働者にとって、参加を拒否することや途中で帰宅することは、事実上困難と思われます。したがって、労働者は会社の指揮命令下にあったと考えられますので、忘年会に参加した時間は労働時間にあたると思われます。

ただし、実際には参加しない人がおり、参加しなくても特段の不利益を課されないような場合は、客観的にみれば単なる参加のお願いであり、参加の指示があったとまではいえず、残業にはあたらないと考えられます」

どうやら、労働者が「忘年会への参加を拒否できるか」という点が、ポイントといえそうだ。

「なお、労働法上、割増賃金(残業代)を支払う必要があるのは、法定労働時間(原則1日8時間または週40時間)を超えた時間です。このため、1日の所定労働時間が法定労働時間以下である場合、就業規則等で特段の定めがない限り、1日8時間かつ週40時間以内の部分については、割増賃金ではなく通常の賃金が支払われることがあります」

つまり、仮に忘年会への参加が強制的なものだったとしても、もともとの労働時間が少ない人は残業代が支払われるとは限らないということだ。

忘年会は本来、仕事のことを忘れて楽しめる会であってほしいものだ。しかし、「忘年会に出たくないけど、参加しないといけない」と悩んでいる人がいたら、会社に残業代を出してくれるかどうか、聞いてみるといいかもしれない。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
靱 純也(うつぼ・じゅんや)弁護士
大手銀行、製薬会社勤務を経て2004年弁護士登録。交通事故、労働事件、債務整理、企業法務などに幅広く対応。気軽に相談できる弁護士を目指し無料法律相談に力をいれている。
事務所名:あゆみ法律事務所
事務所URL:http://www.ayumi-legal.jp/

日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング