実の娘と性交した父に懲役6年、「監護者性交」で有罪あいつぐ…岡崎判決と何が違う?

弁護士ドットコムニュース / 2019年12月29日 8時37分

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実の娘(当時17歳)と性交したとして、監護者性交等罪で起訴された三重県の男性に対して、津地裁は12月24日、懲役6年の有罪判決を言い渡した。ここのところ、監護者性交等罪の有罪判決が相次いでいるが、一方で、ことし3月、実の娘(当時19歳)と性交した男性(準強制性交等罪で起訴)に対して、無罪判決が出たことが話題になった。そもそも問われた罪が異なるが、どんな違いがあるのだろうか。

●「監護者性交等罪」で有罪判決が相次いでいる

冒頭の事件以外にも、次のように監護者性交等罪の有罪判決が相次いでいる。

10月1日、18歳未満の実の娘と性交したとして、岐阜地裁が、父親に懲役9年を言い渡した。

12月17日、結婚相手の娘(当時14歳)に性交をしたとして、津地裁が、男性に懲役7年の有罪判決を言い渡した(男性は「性交渉はしていない」と控訴)。

一方、実の娘(当時19歳)と性交したとして、準強制性交等罪に問われた男性に対して、名古屋地裁岡崎支部は3月26日、無罪判決を言い渡している(岡崎判決)。

この判決をめぐっては、検察側が控訴したほか、一部の専門家からも批判の声もあがっていた。

そもそも問われた罪が、監護者性交等罪と準強制性交等罪で異なっているが、どんな内容の違いがあるのだろうか。

●監護者性交等罪の被害者は「18歳未満」

監護者性交等罪は、2017年の刑法改正で新しく設けられたものだ。

親など、18歳未満の児童を現に監護する人が、その影響力を利用して性交等(性交、肛門性交、口腔性交など)をおこなった場合、強制性交等罪と同様に処罰する(5年以上の有期懲役)規定だ。

刑法が改正される前は、被害者が13歳以上の場合、「暴行・脅迫」がなければ、強姦罪(現・強制性交等罪)に問うことができなかった。

しかし、監護者性交等罪は、被害者が18歳未満であれば、手段として「暴行・脅迫」がなくても、犯罪が成立することになる。また、非親告罪のため、被害者からの告訴がなくとも、公訴できるのだ。

しかし、名古屋地裁岡崎支部の事件のように、被害者が18歳以上の場合は、加害者に対して、監護者性交等罪を問うことはできない。

●準強制性交等罪は、「心身喪失」または「抗拒不能」が要件になる

一方、準強制性交等罪は、「心身喪失」または「抗拒不能」となった人に対して、性交等をおこなった場合に成立する。

心神喪失とは、精神障害や泥酔などの理由により、正常な判断能力を欠く場合をいい、抗拒不能とは、反抗が著しく困難な状態をいう。

●名古屋地裁岡崎支部の無罪判決はどうだったのか?

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