柔道部の「巨漢先輩」から壮絶いじめ…母が奮闘し、弁護士立てない「本人訴訟」で勝訴

弁護士ドットコムニュース / 2020年3月20日 9時27分

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学校いじめの被害者側が、弁護士を立てずに、加害者を訴えて勝訴するという裁判がこのほどあった。かれこれ20年以上、いじめの取材をつづけているが、こうした「本人訴訟」はめずらしい。被害にあった男性は、いまだに精神的なダメージを引きずっているため、裁判で奮闘した母親が取材に応じた(ライター・渋井哲也)。

●きっかけは、スマホが壊れたことだった

原告は、関東地方の高校に通っていたシンジくん(仮名)。被告は、同じ高校の柔道部の1学年先輩、トウジ(仮名)だ。つまり、部活内のいじめだった。

前提として、シンジくんとトウジは、かなりの体格差があった。トウジは、シンジくんよりも、身長が10センチ以上高く、体重は60キロも重かった。

シンジくんは2016年の高校入学後、柔道部に入った。当初から、いじめというほどではないが、トウジにからかわれることがあった。

「シンジの柔道着は、親戚のおさがりで、ジャストサイズ(ピチピチ)でした。そのため、からかわれていたようです。カモという意味で"カモちゃん"とも呼ばれていました。ただ、当初は和やかな雰囲気だったので、心配していませんでした」(シンジくんの母親)

しかし、その後、あることがきっかけでいじめがはじまる。

判決などによると、シンジくんは2016年6月ごろ、トウジから「お前のせいでスマホが壊れた。ゲームのデータが消えてしまった。(課金していたのだから)弁償しろよ」と、現金を要求されたという。

「部活の練習中に、トウジのスマホの画面が壊れることがありました。それがきっかけでした。なぜ、柔道場にスマホを置いていたのかわかりませんが、うちの息子はトバッチリを食らっていたのです」(シンジくんの母親)

●同学年の部員もいじめの対象に

さらにトウジは、仲間と遊ぶためのお金を捻出するために、シンジくんをカツアゲしはじめる。

トウジがいじめの対象にしていたのは、シンジくんだけでない。シンジくんと同学年のケンスケくん(仮名)もいじめられた。

「うちの息子は"スマホの修理代"を払えるほどのお金を持っていなかったのですが、ケンスケくんは、どう工面したのかわかりませんが、暴行を受けたくないという思いから、支払ったようです」(シンジくんの母親)

いじめの現場は柔道部の部室だった。ほかの体育系の部室は1つの棟に入っているが、柔道場の中にあり、外から気づかれなかった。

しかも、1、2年生あわせて4人という少人数の部活で、もう1人の2年生(トウジの同学年)はあまり部活に参加していなかった。

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