「なんで止めないんだよ!」 ヘイトスピーチへの行政対応を求める「都庁前アピール」

弁護士ドットコムニュース / 2013年12月30日 16時5分

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「いま帰宅されている都庁職員のみなさん。これまで新大久保で、民族差別をあおる暴力的なデモが繰り返されてきました。私たちは、東京都にこの問題への対応を求めて、毎週アピールしています――」

JR新宿駅から歩いて約10分のところにある東京都庁。毎週月曜か火曜の夜に、社会人を中心とした人々による街頭スピーチが行われている。参加人数は通常40人ほど、多いときで80人前後になる。司会進行役がマイクを回し、10人ほどが5分前後のスピーチを行うのだ。彼らや彼女たちはいったい何を訴えているのか。現場に足を運び、話を聞いた。(取材・構成/松岡瑛理)

●ヘイトスピーチへの反対を表現する「カウンター活動」

今年は、特定の民族への憎悪・差別感情を煽動する表現、いわゆる「ヘイトスピーチ」をめぐる問題がメディアで大きく報じられたり、国会で取り上げられたりするなど、社会問題となった。きっかけは、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などが、東京・新大久保や大阪・鶴橋などで繰り広げている排外主義的なデモだ。

「朝鮮人を叩き出せ」「ゴキブリ」などといった過激な言葉を繰り返したこれらのデモは、それに対抗するさまざまな「カウンター活動」も生み出した。今年の春ごろから、在特会のデモが実施されている沿道で、「帰れ!」と叫んだり、「憎悪の連鎖は何も解決しない」と書かれた弾幕を掲げたりする人々があらわれた。

この「都庁前アピール」もカウンター活動の一つで、有志でつくるグループ「差別反対東京アクション」が、10月中旬から始めた。特徴は、行政を担う東京都に対して、ヘイトスピーチを抑止する具体的な対応を求めていることだ。都庁前でのスピーチは、たとえばこんな内容だ。

「いい大人が『ゴキブリ』と言って、人を傷つけてるんだよ!人間誰しも、自分が何人(なにじん)になるのか、選んで生まれてこれないんだよ!なんで止めないんだよ!」

11月下旬の都庁前アピールで、こう叫んだのは都内在住の西村直矢さん(34)。行政に対する憤りをストレートに表現した。

11月中旬には、在日二世の金正則さん(59)がスピーチに立った。庁舎に残る職員に向けて、「デモで『在日を殺せ!』と言われますが、たとえば『都庁の職員と家族を抹殺しろ!』と数百人が言い始めたら、どう感じますか。そういうリアリティを持った問題なんです」と、切々と述べた。

参加者たちはこんな風に代わる代わる「差別反対」への思いを、自らの言葉で表現していく。

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