膨大な学習量、行事、部活…生徒を拘束する学校教育、「オンライン化」で見直されるか

弁護士ドットコムニュース / 2020年6月20日 9時39分

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新型コロナウイルスの流行によって、約2カ月にわたり全国の学校が一斉に休校する異例の事態が起きました。オンライン授業などを駆使して教育を継続した学校もありましたが、日本ではそのような学校は少数派です。

海外に比べ環境整備の遅れが目立つ日本の教育のオンライン化について、学校を取り巻く法的課題についてアドバイスする「スクールロイヤー」として活動しながら、社会科教師として高校の教壇に立ってきた神内聡(じんない・あきら)弁護士は「学習内容が多く、詰め込み教育で、学校行事や部活動も盛んであるため、生徒が学校にいる時間が長い、という日本独自の教育システムが影響して、オンライン化への対応が難しかった。今こそ、学校教育のあり方自体を見直すべき」と話します。詳しく聞きました。(武藤祐佳)

●オンライン教育の方が格差を生みやすい可能性

ーー日本は海外に比べ、オンライン教育の利用が進んでいないという話を聞きます。

日本ではオンラインに移行できなかった学校が多く、子どもに教材を渡すだけというところもあります。特に、感染者がほぼいない地域だと、「本当にオンライン化について議論が必要なのか」と考えているところもあるかもしれません。

海外のオンライン教育は日本と比べ物にならないくらい進んでいます。日本のように、学習が止まっていません。Zoomなどで授業を続けている学校も多いですし、動画教材を作って流しているところもあります。

ーー日本と海外の状況の違いには、どのような理由があるのでしょうか。

海外では家庭の格差などを日本ほど気にしていない部分があり、それは海外の悪い面でもありますね。日本では海外と比べて、「家庭の通信環境を統一する」といった細かいところにこだわります。それがオンライン化を妨げている要因の一つになっているとも思います。

また、学習量の違いも要因です。欧米の学校の学習量は日本の2分の1程度で、オンラインでも十分習得できる量です。一方で、日本ではここ10年ほどの間に学習量がものすごく増えています。現在のような非常事態を全く想定しないで学習量を増やしてしまった弊害が出ています。

ーーオンライン教育に移行すると家庭環境による格差が広がらないでしょうか。

オンラインの方が家庭環境による格差を生みやすい可能性があります。家庭環境の問題は2つあります。1つは通信環境の問題です。私が相談を受けている高校で行っているオンライン授業でも、数人くらいは家庭の通信環境が悪く、よく映像が止まってしまっています。オンラインで双方向の授業を行うには、かなり良質な通信環境が必要だと思います。

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