「ノーリード」の大型犬に気を取られ、運転ミスで車破損 飼い主の責任は?

弁護士ドットコムニュース / 2020年7月4日 8時21分

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リードなしで散歩させている大型犬の接近に気を取られ、車の一部が破損してしまったので、飼い主に修理代を請求したいーー。弁護士ドットコムにこんな相談が寄せられた。

相談者によると、幅の狭い道路へ右折しようとしたときに、その犬が「ノーリード」だと気づいたそうだ。「急に車に向かって走って来られたらイヤだな」と犬の方に注意が向いてしまったその瞬間、路肩に乗り上げ、車の一部を破損してしまったという。

飼い主は「うちの犬がノーリードだったからですよね」と謝ってくれたそうだが、相談者としては、車の修理代も弁償してもらいたいと考えているようだ。

ノーリードの大型犬が近くを歩いていたら、不安になる運転者もいるかもしれない。もっとも、飼い主や犬が直接車を壊したわけではない。それでも飼い主が責任を負わなければならないのだろうか。ペットを巡る法律問題に詳しい石井一旭弁護士に聞いた。

●「状況次第で、賠償責任が発生する可能性ある」

ーー飼い主の責任について、法律ではどうなっていますか

「動物が事故を起こした場合の飼い主の責任については、『動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う』(民法718条本文)と規定されています」

ーー今回のケースでも、飼い主は賠償責任を負うことになりますか

「軽々に判断することが難しいですが、大型犬が単に道を歩いていただけなのであれば、『犬が損害を与えた』とは評価できず、相当因果関係がないものとして、飼い主に責任が及ぶことはないと思われます。

ただし、犬の歩行位置・速度であるとか、犬が今にも飛び出してきそうな素振りを見せていたとか、その他道路・交通の状況、彼我の距離など『犬が損害を与えた』と評価できるような状況次第では、飼い主に賠償責任を問える可能性もあります。

とはいえ、その場合でも、基本的には運転者の運転ミスによる事故であり、過失相殺がされるでしょう」

●ノーリードでの散歩は法令違反

ーー今回のようにノーリードで散歩することについて、何か規制はありますか

「動物愛護管理法7条1項は、動物の所有者・占有者(所有者等)に対して、適正な飼養の努力義務を規定しています。さらに、同条7項に基づき、環境大臣が飼養に関して依るべき具体的な基準(家庭動物等の飼養及び保管に関する基準、平成14年5月28日環境省告示第37号)を定めています。

その基準において、犬の所有者等は、犬を道路等屋外で運動させる場合にリードによる制御をすることが求められています(第4の5(1))。ノーリードでの散歩は、当該基準に抵触し、法に違反するものです。

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