「MRI出資金」返還訴訟 「日本では裁判できない」と東京地裁が判断したワケは?

弁護士ドットコムニュース / 2014年1月29日 16時46分

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アメリカの資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバタ州)が投資家から預かった出資金約1300億円を消失させたとされる問題で、日本の投資家9人が計7200万円の返還を求めて東京地裁に訴えを起こした。しかし、「日本では裁判ができない」という理由で、訴えは退けられてしまった。

報道によると、東京地裁は、裁判の「管轄」が米ネバダ州の裁判所にあると認定したという。MRIと投資家が交わした契約書に、そう書かれているというのだ。

今回、判決のポイントとなった裁判の「管轄」とは、いったい何なのだろうか。その「管轄」は、どうやって決まるのだろうか。鈴木謙吾弁護士に聞いた。

●裁判管轄は一律に決まっているわけではない

「『管轄』の概念は、『紛争の当事者が、どの裁判所で裁判を受けることになるかを決定するルール』と考えると分かりやすいと思います」

鈴木弁護士はこう説明する。民事訴訟の場合、原則として、「被告」(訴えられる人)の住所地を担当している裁判所が管轄となるようだが、例外もあるようだ。なぜだろうか。

「たとえば、北海道札幌市在住の被害者が、旅行で東京に来ていたとき、沖縄県那覇市から遊びに来ていた加害者の車と、交通事故に遭った場合を想定して下さい。

交通事故の現場という点を重視すれば、東京地裁で判断した方がよいです。しかし、被害者保護の観点から訴訟提起のしやすさを重視すれば、札幌地裁で裁判を行うべきでしょう。

また、先ほどは加害者と言いましたが、事故の過失割合によっては単純に加害者と評価できない場合もあり、那覇地裁で判断することにも合理性があるかもしれません。

こうした理由から、裁判の管轄は全てのケースで一概にここと決まっているわけではないのです」

たとえば、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟だと、不法行為が行われた場所。また、不動産に関する訴訟では、その不動産の所在地を管轄する裁判所にも、訴えを提起することができるという。

では、当事者間の契約や合意で、裁判管轄を決めることもできるのだろうか?

●企業間取引では契約で「管轄」を定めることが多い

「裁判管轄は、不合理な内容でない限り、合意で定めることもできます。

そのため、企業間取引においては、契約に合意管轄等の条項を明記することが多く行われています。

弁護士であれば、遠方の相手会社との間において顧問先の契約書を作成する際、顧問先所在の裁判所を管轄裁判所とするなど、合意管轄に注意するはずです」

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