春名風花さん、315万円で示談成立 ネットの誹謗中傷、慰謝料は高額化の流れになるか?

弁護士ドットコムニュース / 2020年7月21日 10時11分

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女優の春名風花さん(19)が7月30日、ツイッターに虚偽の内容を投稿した人物との間で、刑事告訴の取り下げと被告側が春名さん側に示談金計315万4000円を支払うことで示談が成立したと発表した。示談は7月16日付。

春名さんは書き込み主に対し、慰謝料など265万4000円の支払いを求めて損害賠償請求をおこしていた。被告側の代理人弁護士を通じ「示談金を支払うので、告訴を取り下げてほしい」と連絡があったという。

この示談に関し、ツイッターでは「本当に素晴らしい」「いい前例が出来た」などと反響が相次いでいるが、今後ネットの名誉毀損事件に対する影響はあるのだろうか。小沢一仁弁護士に聞いた。

●慰謝料額への影響は少ないが抑止にはなる

ーー今回の示談の評価をお願いします

一般論としての回答になりますが、1人あたり157万7000円の示談金は、刑事事件化していることを考慮しても、高い部類に入るのではないかと思います。

ただ、裁判所の判決により認められたものではありませんし、刑事事件の解決の趣旨も含むものなので、この示談が同種の民事事件の慰謝料額に与える影響は少ないのではないかと思います。

しかし、場合によっては100万円単位の金銭を支払わなければならなくなることが社会に与えるインパクトは大きいと思われますので、同種事件の抑止にはなるのではないかと思います。

ーーネットの名誉毀損事件の慰謝料額の相場はどのくらいなのでしょうか

インターネット上での名誉毀損事件については、当然事案によって悪質さなどの軽重がありますので一概には言えませんが、慰謝料額としては30万円~50万円程度とされることが多い印象でした。

しかしながら、近時はインターネット上の誹謗中傷の深刻さに関する社会的な認識が広まっているように思いますので、今後は増額傾向に転じる可能性があるのではないかと思います。

●資力がなければ、回収が困難

ーー判決で支払い命令が出ても、相手に支払い能力がない場合、泣き寝入りとなってしまうのでしょうか

インターネットは多種多様な立場の人が利用するうえに、通常は事前に投稿をした人が誰か分からないので、結果的に特定した発信者が無資力者であったという事態には定期的に遭遇します。

加害者側に資力がないような場合は、いくら高額の慰謝料の支払いを命じる判決が下されたとしても、回収することが困難です。強制執行をしても容易には回収できません。

他方で、示談による解決の場合、加害者としても内容に納得して示談書を作成することになりますので、経験上は示談書の内容どおりに支払われることの方が多いと思っています。

今回の事件では双方弁護士が介入したうえで示談しているようなので、約束通りの支払いがされる可能性が高いと思われます。

【取材協力弁護士】
小沢 一仁(おざわ・かずひと)弁護士
2009年弁護士登録。2014年まで、主に倒産処理、企業法務、民事介入暴力を扱う法律事務所で研鑽を積む。現インテグラル法律事務所シニアパートナー。上記分野の他、労働、インターネット、男女問題等、多様な業務を扱う。
事務所名:インテグラル法律事務所
事務所URL:https://ozawa-lawyer.jp/

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