経済対策で国の借金が急拡大、小黒一正教授に聞く「ポストコロナ」の財政再建

弁護士ドットコムニュース / 2020年7月25日 9時23分

写真

関連画像

新型コロナウイルスの感染拡大による経済の停滞で、度重なる財政出動が、歴史に類を見ない規模に膨らんでいます。さらなる景気浮揚策として消費税減税を求める声もあります。

コロナ禍の前から、厳しい見通しが指摘されていた日本財政は、さらなる国債の大増発により、国債発行残高が2020年度末には1000兆円を突破する見込みです。ポストコロナの厳しい見通しについて、かねてから財政再建に向けて警鐘を鳴らしてきた法政大学の小黒一正教授に聞きました。(ライター・拝田梓)

●160兆円にまで膨らんだ財政出動

ーー日本の財政再建への道筋は、コロナ禍を経てどう変わるのでしょうか。

コロナ以前から存在する財政・社会保障の問題、つまり低成長、人口減少、そこから発生する貧困化の問題は変わらないと思います。解決策の方向性は、拙著『日本経済の再構築』(日本経済新聞出版社)で説明していますが、今回のパンデミックで一時的に忘れられている状況ですね。しかも、コロナ危機に対する緊急の経済対策で財政に相当の負荷がかかっており、問題は深刻化しています。

国の予算(一般会計の歳出)は160兆円まで膨張しており、税収との差を借金で穴埋めしているわけですが、そのギャップはますます拡大しています。

一般会計の基礎的財政収支について、政府は2025年度までに黒字化する目標を掲げていましたが、コロナ前は9.2兆円の赤字と見積もっていたのが今は66.1兆円まで膨らんでしまいました。

膨張した約57兆円を20年間で償還するとなると、毎年3兆円弱ずつとなります。消費税1%で2.8兆円ですから、20年間ずっと余分に消費税率を1%上げないと償却できない規模の対策をしています。

東日本大震災でも復興債を発行し、所得税や個人住民税に上乗せして25年間で返済する復興特別税を作りましたが、比べ物にならないぐらいの規模になっています。

ーー震災時と同じやり方ではできないということですね。 

はい。また、財政再建には、経済成長による税収増と歳出削減、増税がありますが、歳出削減も限界があります。経済成長により税収増で財政再建を果たせるかについては、1998ー2018年度のGDP名目成長率の実績は年率平均で0.16%しかなく、厳しいと言わざるを得ません。

世界銀行が今年の6月に出した日本の実質GDP成長率予測は、2020年度がマイナス6.8%となっており、衝撃が走りました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング