新聞記事が真実でなくても「違法」ではない? 「名誉毀損」はどんなときに成立するか

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月1日 0時32分

写真

関連画像

傷害事件の裁判で「無罪」となった男性が、逮捕時の報道で名誉を傷つけられたとして、朝日新聞などを訴えた。しかし最高裁は昨年12月、男性側の上告を退ける決定をくだした。これにより、男性の請求を棄却した2審判決が確定した。

報道によると、問題となったのは、男性が傷害容疑で逮捕されたことを報じた2008年12月の記事だ。その記事では、大阪府警への取材をもとに、男性について「事件の現場で撮影された防犯カメラに映っていた男と似ており」と表現していた。ところが、現場に防犯ビデオはなく、結局、男性は無罪となったのだ。

1審の大阪地裁は、「真実ではない記事を掲載した」として朝日新聞の過失を認め、22万円の支払いを命じた。しかし、2審の大阪高裁は「防犯ビデオに関する部分は補足的。真実でない点が含まれていても、記事に違法性はない」と判断し、男性の訴えを退けた。

新聞の役割は事実を伝えることのはずだが、記事の内容が「真実」でなくても「違法」ではない、というのはなぜなのだろうか。新聞報道と名誉毀損の関係は、いったいどうなっているのだろうか。尾崎博彦弁護士に聞いた。

●名誉毀損が成立する条件とは?

「まず、名誉毀損とは『公然と事実を摘示して、人の名誉を毀損』することです。

このような行為は『不法行為』として損害賠償の対象となります。

しかしその行為が、(1)公共の利害に関する事実に係り、(2)もっぱら公益を図る目的に出た場合で、(3)摘示した事実が真実であると証明されたときは、不法行為は成立しないとされています」

つまり、たとえ名誉毀損にあたるような表現でも、(1)~(3)の条件が満たされれば、不法行為とはならず、損害賠償の対象にもならないということだ。

裁判では、どんな点が論点となったのだろうか?

「今回の場合、報道された内容は、裁判前の犯罪行為に関する報道であり、このことは(1)『公共の利害に関する』と考えられます。

また、記事の内容および表現に照らすと、『もっぱら公共の利益を図る目的』だったと判断されています」

(3)の事実の証明については、どうだろうか? 記事内容には、間違いも含まれていたようだが……。

●事実の「主要な部分」が真実であればOK

「本件記事で問題となったのは、『真実であるとされた事実』の内容ということになりますが、摘示された事実の『主要な部分』が真実であると認められれば足りる、とするのが最高裁の判例です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング