男性の「産休制度」新設の動き…「収入減」「マイナス評価」懸念をどう払拭する?

弁護士ドットコムニュース / 2020年8月6日 10時55分

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政府は、男性の育児参加を促すため、出産直後の父親を対象とした新たな休業制度(産休制度)を創設する方針であると報じられた。産休制度は現在、母親にしか取得が認められていない(産後は8週間)。

読売新聞(7月26日)によれば、導入を予定しているのは父親を対象とした「産後休業」にあたる制度で、男性の育児参加を促すとともに、出産直後の妻を夫がサポートする機会を作り、産後ケアを充実させる目的がある。

また、男性の育休取得が進まない背景に、家計収入が減ることへの懸念があることをふまえ、育児休業よりも休業中の給付金を手厚くし、家計の収入減を抑えることも検討しているという。来年に育児・介護休業法などを改正し、導入を目指すようだ。

もっとも、男性の産休制度を法律で設けただけで、実際にどれだけ利用されるのか。あるいは「休むことでマイナス評価されないか」などの懸念もある。これらをどう考えるべきか。

●男性の産休制度は「女性の社会進出が進展する大きな契機」

労働問題に詳しい笠置裕亮弁護士は、男性の産休制度について、「制度創設自体は評価できる」という。ちなみに笠置弁護士は、1カ月の育休を取得した経験がある。

「これまでも育休制度はあったものの、なかなか取得率が上がらず、とりわけ夫のヘルプが必要となる出産直後の時期に、妻に負担が集中していたという問題がありました。

制度の詳細は、今後政府内で検討されることになっていますが、産休取得者に対する経済的なバックアップが十分なされるのであれば、社会的に広く活用され、夫婦での育児負担の分担と、それに伴う女性の社会進出が進展する大きな契機になると思われます」

産後は身体的にも精神的にも大きな負担がかかる時期で、特に生後1カ月の健診までは母子ともに外出をなるべく控え、回復に努めるのが一般的だ。普段であれば軽々とこなせる家事でも体の負担となり得ることから、父親のサポートは大きな意味を持つ。

もっとも、笠置弁護士は、「制度創設の成否は、取得時の懸念をいかに解消するかにかかっている」と話す。

「残念ながら、男性の制度利用者に対する風当たりの強い企業も存在します。そういった企業でも、取得できるようにどういった対策をとるのか。そこで制度の成否が決まるでしょう」

●制度があっても「全員取得」とはならないワケ

制度が導入され、組織が産休取得を推奨しても、実際の職場で取るようになるとは限らない。

たとえば、国家公務員には類似の制度「男の産休(最大7日間の有休)」がすでに導入されており、政府は「”全て”の男性職員が合計5日以上取得する」という目標を設定している。

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