コロナでコンビニの二極化が加速? 最賃ほぼ据え置きも、依然苦しむ加盟店<土屋直樹教授>

弁護士ドットコムニュース / 2020年8月11日 10時19分

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新型コロナウイルスの影響で、2020年度の最低賃金はほぼ据え置きとなる見通しだ。中央最低賃金審議会が7月22日、「引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当」との報告書を出したからだ。

労働者側から不満の声がもれる一方で、胸をなでおろしている使用者もいる。その代表例がコンビニだろう。24時間営業が基本なだけに、小さな時給アップが大きな負担につながる。

都内のある加盟店オーナーは、「コロナ禍で売り上げが減っています。最賃が上がったら、トドメを刺される経営者が多かったと思います」と、心底ほっとした様子で語った。

●最賃3%アップで毎年「約50万」の利益減?

三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、コンビニの73%が、最賃とほぼ同額(101%未満)の水準でアルバイトを募集しているという(2017年10月18日 )。それだけに最賃アップの影響は大きい。

24時間、常時バイト2人で試算すると、時給が5円上がれば、年間で9万4000円ほどの負担増になる。2019年度は全国平均が前年より27円アップしたが、年間だと約50万円増という計算だ。

これはオーナーにとってインパクトのある数字だ。たとえば、単店経営のファミリーマート加盟店の4割近くが営業利益400万円以下という数字もある(2012年度)。経営が苦しい加盟店にとっては、最賃アップが生活を大きく左右する。

●「コンビニ問題」招いた最賃の上昇

2019年度にあった経済産業省の「新たなコンビニのあり方検討会」の委員も務めた武蔵大学の土屋直樹教授は次のように語る。

「経営状態が良い店は時給を上げられますが、そうでない店は競合する他業種よりも低い金額で募集しなければなりません。結果として、人手不足や人件費削減のため、オーナーが長時間労働になるという構図があります」

土屋教授は、埼玉地方最低賃金審議会の委員でもある。中央の審議会は目安を示さなかったが、埼玉県では10月から2円アップの928円になる見込みだ。

「時給は5円刻みになっていることが多い。使用者側も『“繰り上がり”のない1~2円ならば』という感じもあったかもしれません。数円上がっても、コンビニを含め、経営側にはそこまで影響は出ないのではないでしょうか」

●コロナで売り上げ減

一方でコンビニもコロナで大打撃を受けている。日本フランチャイズチェーン協会によると、4月から6月のコンビニ売上高(既存店ベース)は、前年比10.6%減→10.0%減→5.2%減と推移している。

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