事故のドライバー、無罪だったのに免許戻らず職失う…「行政の対応ひどい」弁護団がクラファン

弁護士ドットコムニュース / 2020年8月12日 10時23分

特に今回の優子さんの件では、処分を見直さない合理的な理由など何一つありません。刑事裁判の判決では、警察が設定した事故形態は否定され『過失があったとは認められない』とされています。

このような件までも、行政訴訟で裁判所に『免許取消しは間違っている』と言われない限り見直さないという警察側の姿勢には、大きな問題があると言わざるを得ません」

●「まずはこの問題を広く知ってもらいたい」

その問題提起が、プロジェクトを立ち上げた理由の一つだという。

「警察側が自主的に見直さない以上、現状では、行政訴訟で免許を取り戻すしかありません。

ただ、行政訴訟は、通常の民事訴訟と比べて原告勝訴率が低いことで知られています。訴訟法の技術的な問題もありますが、裁判上で主張される内容が難しいことや、あまり報道されないということから、重要度の割に、世間から注目されていないことも影響しているかもしれません。

世間の注目が裁判にどう影響するのかと思われるかもしれませんが、裁判所も世間の反応を見ていると思います。

憲法上、裁判は公開の法廷で行うとされています。これは、裁判官が独りよがりなことをしないよう、国民が監視するための手段であるといわれています。世間の注目(反応)も国民による監視の一形態といえるのではないでしょうか」

たしかに、裁判所といえども、誰もが「おかしい」と考えていることを、「いや、それでいいんだ」とは簡単に言えないだろう。

「そこで、まずはこの問題を広く知ってもらおうと始めたのが、『無罪のあと、ちゃんとしよう!プロジェクト』です。このプロジェクトが現状を変えるきっかけになってくれればと思っています」

●弁護団は手弁当で活動、「本当にそれでいいのか?」

プロジェクトを立ち上げたもう一つの理由について、木村弁護士は「金銭的な問題」だと率直に話す。

「優子さんは免許を失ったことでドライバーの仕事も失うなど生活に困窮しており、十分な資力がない状況です。

本来であれば、訴訟でかかる費用は当事者が負担しますが、優子さんの行政訴訟は弁護団の手弁当で行われています。ないお金をもらうことはできません」

なぜ、報酬も費用の支払いもない状況でも支援するのか。

「優子さんと同じように、無罪や不起訴になったのに、行政処分(免許取消しや点数付加)がそのままにされ、泣き寝入りになっている人は、実は全国にたくさんいらっしゃるのではないかと考えています。

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