「人気作に抜てき」で若手声優にネット中傷 事務所は刑事告訴「人格攻撃見過ごせない」

弁護士ドットコムニュース / 2020年9月1日 9時57分

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「誹謗中傷は罪だと言っても理解されない。実際に逮捕者が出なければわからない人もいるんです」

ブシロードグループが運営する声優事務所「響」は、所属声優がネット上の誹謗中傷被害を受けたことから、このほど該当アカウントに対して民事・刑事上の法的措置を取った。

5月から対応策を打ってきたものの、最終的に加害者が中傷を完全にやめることはなかったという。有名人への誹謗中傷が社会問題化する中、対策の「成果」と「課題」が見えてきた。

●「枕営業」人気声優への根拠なき中傷

グループの法務部長を務める井上智則氏が経緯を説明する。「響」所属の若手(女性)声優Aさんが中傷の被害者だ。

人気作品の重要な役に起用されたことをもって「権限者と不適切な関係があった」など枕営業を想起させる投稿や、Aさんの顔を用いたアイコラ画像のアップなどがあったという。

同社の声優らはツイッターなどのSNSを、基本的には自身で運用している。フォロー外の投稿・リプライをミュートしても、誹謗中傷が目に入ってしまうことは完全に避けられない。

グループとして看過することはできず、これまでに3段階の対策を実施してきた。

●めざましい効果があった対策第1弾

同社は5月14日の「弊社所属声優に対する迷惑行為について」と題したプレスリリースで、被害の存在を明かし、アカウントの凍結申請や、弁護士を通じた法的手段、および警察に通報・告訴することを通知した。

この「警告」の効果はてきめんだった。「該当する投稿、アカウントが削除されました。 感触として、目についた該当アカウントの9割が消えたのではないでしょうか。我々の想像を遥かに超える削除がありました」(井上氏)

●対策第2弾をものともしない加害者

しかし、残る「1割」には警告が通用しなかったようだ。懲りもせず、Aさんへの中傷を続けたという。そこで、同社は6月11日に第2弾として追加のプレスリリースを打つ。

「警察への被害届の提出を含む手続・相談および発信者情報開示請求の手続き」をすでに始めたことを通知したのだ。しかしーー。

法的手続きの開始を知らせても、めぼしい効果はなかった。「投稿を止めるどころか、『この投稿は批判である』と自身を正当化し、人格否定や社会的地位をおとしめる発言を続ける人もいました」

井上氏は「2パターンの人がいます」と話す。「自己を正当化することで悪いことだと思わずに続ける人。そして、悪いことだと気づいていてもどうせ逮捕・処分されることはないだろうと思って続ける人です」

●最後の第3弾「東京地検に刑事告発」

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