事故の女性ドライバー、無罪だったのに警察側が免許返さず…初公判で「過ち正して」と訴え

弁護士ドットコムニュース / 2020年9月10日 10時22分

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福岡県内で発生した交通事故の刑事裁判で無罪となった女性が、事故後に取り消された運転免許の見直しを求める訴訟の第1回口頭弁論が9月9日、福岡地裁であった。

女性側は、運転免許取消処分の無効確認を求めるとともに、自身の意見陳述書を提出。女性の代理人弁護士によると、被告側は出廷せず、請求棄却を求める答弁書を提出したという。

女性は、交通事故で相手に重傷を負わせたとして起訴されたものの、刑事裁判で無罪が確定。その後、免許(ゴールド)を事故前の状態に戻すよう要請したが認められなかったため、2020年7月に福岡県を相手に行政訴訟を起こした。

この裁判をめぐっては、弁護団や支援者によって、ネットで裁判費用を募る「クラウドファンディング」が行われており、第一目標金額を早々に達成するなど注目を集めている(https://readyfor.jp/projects/innocent-menkyo2020)。

事故当時、軽トラックのドライバーとして働いていた女性は、「無罪になったのに、免許が戻らないというのは悔しいです。この裁判を通じて、多くの人にこの問題を知ってもらいたいです」と話した。

●刑事裁判で下された判決は「無罪」

事故は2017年2月、片側2車線の道路の右車線で発生した。警察は、前方を走行している原付バイクに、女性の運転する軽トラックが追突したという事故態様と判断した。

それを受け、福岡県公安委員会は2017年12月、女性の過失による事故であることを前提に、免許の取消処分を行った。

女性は捜査段階では、「ぶつかったバイクは左車線路肩にいて、直前に車線をまたいで飛び出してきた」と主張していたが、警察には見間違えと言われたという。

「自分の意見はまるで聞いてもらえませんでした。言葉につまると、『このままだと逮捕だよ』と言われ、正しいと思っていることを言える状況ではありませんでした」

その後、女性は2018年5月に在宅のまま起訴されたが、刑事裁判では、自らの過失でないとして無罪を主張。福岡地裁は2020年5月に無罪判決を言い渡し、そのまま確定した。判決は、警察の見立てた事故態様を否定し、女性に過失は認められないとしている。

女性の代理人である吉田俊介弁護士は、「虚偽の自白をとり、真実でない事故態様の証拠を揃えるなど、警察のストーリーありきの捜査という印象です。しかし、よく調べると、各証拠で辻褄が合わない部分が出てくるなどしており、ずさんな捜査と言わざるを得ません」と警察の対応を批判する。

●無罪確定でも戻ってこない免許、立ちはだかる「制度上の建前」

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