父が無断で依頼した「DNA親子鑑定」 子どもや母の許可がなくても問題ないか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月10日 17時34分

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子どもを取り違えられた父親の葛藤を描いた映画『そして父になる』が話題を集めたり、有名芸能人の子どもが「実の子」なのかをめぐって騒動になったりと、昨今は親子関係をめぐる話題に事欠かない。そんな中、人間の遺伝情報が含まれるDNA(デオキシリボ核酸)を調べて生物学的に親子かどうかを判断する「DNA鑑定」に注目が集まっている。

料金は1回につき数万円から10数万円とされ、決して安いとはいえないが、DNAの採取は口の中を綿棒で軽くこすったりするだけですみ、インターネット経由で鑑定を申し込める手軽な業者も登場している。テレビドラマやニュースでDNA鑑定が多く取り上げられていることもあり、認知度の向上につれて、利用する人が増えているという。

一方でDNA鑑定は、もたらされる結果によっては、親と子の双方の人生を大きく揺さぶりかねない重い意味を持つ。仮に、父親が子どもとの血のつながりを調べるためにDNA鑑定を依頼する場合、子ども自身や母親の許可をもらう必要はあるのだろうか? もし父親が勝手にサンプルを送って鑑定を依頼した場合、あとで知った子どもや母親が精神的に傷ついたとして「慰謝料」を求めてきたら、応じなければならないのだろうか。田村勇人弁護士に聞いた。

●「生物学的な父子関係を確かめる」という目的は正当

「まだ確立した判例は見当たりませんが、結論から言うと、慰謝料の支払いは不要と考えます」

田村弁護士はズバリこう指摘する。なぜそういえるのだろうか?

「仮に今回のケースで、慰謝料請求を考えるなら、次のような点を主張することになるでしょう。

(1)母親の反対を押し切って子供のDNAを採取して鑑定することは、子や母親の『違法な』プライバシー侵害行為にあたる。

(2)父親が父子関係を疑ったことは、家族関係を不安定にする『違法な』行為にあたる。

しかし、これらの主張は両方とも認められないと思われます」

それぞれ理由を聞いてみよう。

「まず(1)に関しては、DNA情報は確かに子どものプライバシー情報ですが、調査をするのは、親権者である父親です。

さらに、『父子関係が生物的に存在するかを確かめる』という調査目的は正当で、父親にとっては、生物としての根源的な欲求とも言えるでしょう。

したがって、こうしたDNA鑑定は正当な行為として甘受されるべきであり、子のプライバシーを『違法に』侵害してはいないと考えられます」

●「父親が無断でDNA鑑定をしても、違法とはいえない」

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