「教師がトイレで娘にわいせつ行為」 両親の必死の訴えを信じない学校…提訴に至るまでに何があった?

弁護士ドットコムニュース / 2020年9月26日 8時34分

「結局、教師によるわいせつ事件は、被害者の子どもの権利救済の視点で、対応の基準が整備されていないことに欠陥があると思っています。

教師のわいせつ行為などを児童虐待の問題にしようとせず、教委も児童相談所も警察も、その対応を整備してこなかった。直接の被害、さらに子どもの権利擁護制度の不備による被害、二重の被害を受けている状態です。

しかし、たとえば千葉県では、今回の事件があった平成29年度、13名の教師がわいせつ行為などで処分されています。これ以外にも、問題化されない隠れた事件はあると思います。

ところが、もう何年も教委や学校の対応はまったく変わっていません。教師の個人的な不祥事問題として処理しているだけです」

一方、村山弁護士も「千葉県には『子どもを虐待から守る条例』もありますが、児童虐待防止は、あくまで家庭が対象で、子どもの権利全体にわたるようなものがない。学校は抜け落ちてしまっています」と指摘する。

●県と自治体は争う姿勢

村山弁護士によると、裁判では、男性教師による違法なわいせつ行為のほか、教委がこどもと教諭を密室で2人きりにならないよう環境を整えるなどして、事前にわいせつ行為を防止するための監督義務違反があったことを指摘している。また、学校が適切な対応や調査を実施しなかったとする、調査・環境調整義務違反などもあたったと主張している。

これに対し、被告の教委側は争う構えをみせている。県教委は「わいせつ行為及び、セクハラにより、毎年何人か懲戒処分を受けた者が発生している」としつつも、「被処分者自身の倫理観自覚の問題である」などと主張し、県教委の義務違反はないと反論している。

また、自治体の教委は、女の子が「自らが登校しないことを正当化するための理由として、当該教諭によるわいせつ行為を誇張して述べる可能性があった」ため、信用できないと反論をしている。

村山弁護士は「このような教育委員会の責任放棄ともとれる主張、子どもの被害の訴えをありもしない理由で信用できないとする姿勢により、ご両親はさらなる心の傷を負っています」と話す。

教師によるわいせつ行為の再発防止には何が必要なのか。裁判を通じて両親らは訴えていく。次回の期日は11月9日、千葉地裁で開かれる。

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