ヒカキンさん、悪質なりすまし犯に「気をつけて」と警告…どんな法的問題がある?

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月3日 8時25分

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人気YouTuberのヒカキンさんが9月30日、自身のYouTubeでなりすまし犯とのバトルのてん末を話した(「ブロックされたので本当に許さないことにしました。【悪質な詐欺・偽物・なりすましについて】」)。

このなりすまし犯は、アカウントをフォローとRTするだけでiTunesカード、アマゾンギフトカードなどを「全員にプレゼントする」などと投稿。

ヒカキンさんは「偽物が何を目的しているのかわからないんですが、(実際に応募すると)アプリを入れてください、などニセモノが得をするためにみなさんをだましている」などと警告した。

ヒカキンさんのツイッター公式アカウントには公式マークがついているが、それでもなりすまし犯たちは後を絶たない模様だ。有名人のなりすまし犯になることは、どのような法的問題があるのだろうか。

●なりすまし行為そのものは刑法上問題ないが…

ーーなりすまし犯にどのような法的問題があるのでしょうか

刑事上の問題と民事上の問題が考えられます。

ーーまず刑事上の問題について教えてください

まず、なりすまし行為自体は、刑法が「なりすまし罪」のような犯罪を定めているわけではないので、刑法上問題であるということはできません。

ただし、なりすましたうえで、なりすまされた本人の評判を落とすようなことをして、あたかも本人が問題行動をとったかのように装う場合には、名誉毀損罪などの問題が生じることになります。

ーーなりすまし犯は、アカウントをフォローとRTするだけでiTunesカードなどを「全員にプレゼントする」などと投稿しているようです

「実際に配っていないとすれば、騙していることにはなりますが、なにか財物を奪っているわけではないので詐欺罪などに問えるわけでもなく、法律上は違法とは言えません」

●氏名権、肖像権、アイデンティティ権を侵害している

ーー民事ではどうでしょうか

民事上は、なりすまし行為は、本人の氏名権やプライバシー権、肖像権、アイデンティティ権などを侵害することになります。

今回のなりすましアカウントでは、本人の氏名のほか、写真を使っているので、氏名権や肖像権、アイデンティティ権を侵害しているといえると思います。

権利侵害を受けている人は、これらの権利侵害を理由に削除を求めることができるほか、発信者情報開示請求をして相手を特定していく余地もあるといえます。

なりすまし行為をしていた人物を特定できれば、損害賠償請求をしていくことができます。

【取材協力弁護士】
清水 陽平(しみず・ようへい)弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、総務省が主催する「発信者情報開示の在り方に関する研究会」の構成員となっている。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第3版(弘文堂)」などがある。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:http://www.alcien.jp

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