「佐村河内」楽曲の著作権は誰のもの? 「ゴーストライターの著作権」を考える

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月12日 10時50分

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「現代のベートーベン」と絶賛されていた佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんの曲を、実際には別人が作っていたことが判明し、大きな波紋を広げている。佐村河内さんは2月12日、代理人の弁護士を通じて直筆の謝罪文を公表し、「本当に多くの人たちを裏切り、傷つけてしまったことを、心から深くお詫びいたします」と謝った。

「ゴーストライターとして、18年間で20曲以上を提供した」と告白したのは、音楽大学で講師をつとめていた新垣隆さんだ。新垣さんは2月6日の記者会見で、提供曲の著作権について「放棄したい」と発言した。しかし、著作権を管理する日本音楽著作権協会(JASRAC)は、「権利の帰属が明確になるまで作品の利用許諾を保留する」と発表しており、権利関係がどうなるのかは不透明だ。

もしもゴーストライターの役割を担った人が、あとから「自分も著作者」だと名乗り出て、著作権を主張したとしたら、ゴーストライターにも著作権が認められるのだろうか。著作権にくわしい高木啓成弁護士に聞いた。

●二人の間には「ゴーストライティング契約」があった?

「これまで報道されている内容からすると、佐村河内氏と、そのゴーストライターだったとされる新垣氏との間で、次のような合意があったものと考えられます。

(1)新垣氏が作曲し、佐村河内氏に対して、その楽曲の著作権を譲渡すること

(2)佐村河内氏が新垣氏に対して、著作権譲渡の対価を支払うこと

(3)佐村河内氏の名義で楽曲を公表し、新垣氏は実際の著作者として有している著作者の人格権を行使しないこと」

高木弁護士はこう説明する。

「このような合意を、『ゴーストライティング契約』と呼びます。そして、このようなゴーストライティング契約のもと、長年にわたり、新垣氏が作曲した楽曲の著作権が、佐村河内氏に譲渡されていたと考えられます」

しかし、今回、大きな騒動になっていることからも分かるように、このようなゴーストライティングは、佐村河内さんの作曲だと信じた人たちをだます行為といえる。今回のようなゴーストライティング契約は、有効だといえるのだろうか。

「世間を欺くようなゴーストライティング契約は、公序良俗に反して無効である、という考え方が有力です。実際、このような考え方に沿った裁判例もあります」

●楽曲の「著作権」は佐村河内さんに帰属する?

では、今回のゴーストライティング契約が無効だとすると、新垣さんが佐村河内さんに「楽曲の著作権」を譲渡したことも無効となり、逆に、楽曲の著作権が新垣さんに帰属することになるのだろうか。

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