国連部会、日本の入管に「レッドカード」 難民を追い込む長期収容に厳しい見解

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月9日 10時15分

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日本の法務省・出入国在留管理庁(入管)が、難民やその他帰国できない事情を持つ外国人をその収容施設に長期収容している問題で、ついに国連人権理事会の国連部会が「レッドカード」を突きつけた。

自殺未遂を繰り返す、著しい体調不良で衰弱するなど、過酷な状況の中で収容されていた難民申請者2人の訴えを受けて、国連人権理事会の「恣意的拘禁国連部会」が「国際人権規約に反する」という見解をまとめたのだ。

この見解の中で、2人のケースのみならず、日本の入管制度自体を厳しく追及し、抜本的な改善を求めている。

法務省が今秋の臨時国会での審議を目指す「送還拒否の外国人に罰則」「難民申請者の送還禁止の例外規定」などを盛り込んだ入管法改正案も、その前提が根本から覆ったかたちだ。(ジャーナリスト・志葉玲)

●国連部会の見解は「極めて厳しい」

国連人権理事会の恣意的拘禁国連部会(国連部会)は、人権侵害としての不当な拘禁について、専門家が調査して、見解を示す。

昨年10月、日本の入管の収容施設に拘束されていたトルコ籍クルド人難民、イラン難民からの通報を受けて、日本政府側の反論も受け付けたうえで、今年9月に難民2人の訴えを認める見解を示した。

その見解は、極めて厳しいもので、入管による2人の収容は、次のように国際人権規約(自由権規約)に違反すると指摘している。

・すべての人々が差別されずに規約での権利を認められ、その自由や権利が侵害された際に、救済措置を受けられる等の規約第2条に違反

・何人も恣意的に逮捕され又は抑留されず、法律で定める理由及び手続をなしに、その自由を奪われない等の規約第9条に違反

・いかなる者も法の前の平等を保障される等の規約第26条に違反

自由権規約は、世界的な人権の大原則であり、日本を含む批准国は、この規約を守る義務がある。この規約に反するとの指摘は極めて重い。

また国連部会は、難民2人の収容が、世界人権宣言14条、つまり「すべての人は、迫害からの避難を他国に求め、かつ、これを他国で享有する権利を有する」に反するとも指摘している。

難民が難民として認められ保護されることなく、収容されることを批判しているのだ。そのうえで、国連部会は、日本政府に対して、難民2人への賠償や、彼らの収容についての独立した調査や責任者への措置、今回の国連部会の見解を広く公表することを求めている。

●収容されていた外国人たち「私たちを人間扱いして」

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