「時代動いた」日本郵便の契約社員、最高裁で勝つ 手当と休暇で格差是正命じる

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月15日 20時28分

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日本郵便の契約社員らが、同じ仕事をしている正社員との不合理な待遇格差の是正を求めた3件の裁判(東京、大阪、佐賀)で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は10月15日、正社員に認められている年末年始勤務手当や夏期冬期休暇などの手当と休暇について、いずれも契約社員に認めないのは「不合理である」との判断を下した。

判決後に開かれた会見で、原告と代理人弁護士らが「日本の雇用状況に大きな影響を与えると思います」「時代の扉が動く音が聞こえた」と喜びの声をあげた。

●統一判断が示された

改正前の労働契約法20条が禁じる正規・非正規の「不合理な格差」が争われていた。

3つの事件について、休暇・手当の項目ごとの判断が各高裁で異なっていたが、統一的な判断が示された。

最高裁の判断がまたれていたのは、「年末年始勤務手当」、「扶養手当」、「夏期冬期休暇手当」、「有給の病気休暇」、「祝日給」の5つだ。

このほか「住居手当(新一般職との比較)」については会社側上告を不受理としており、賠償を認めた高裁判決を確定させていた。

東西事件における最高裁弁論(9月10日)のあとに開かれていた会見で、東京事件を担当する棗一郎弁護士は「労働側の上告を受理した扶養手当は不合理と判断される」との見通しを示していたが、そのほかの4項目の行方は、どうなるかわからなかった。

それが蓋をあけてみると、すべての項目で勝訴となった。

●どんな最高裁判決だったのか

判決では、扶養手当や有給の病気休暇は、「相応に継続的な職務が見込まれるものであれば」、契約社員にも認められないのは「不合理である」と判断された。

なお、夏期冬期休暇については、格差を不合理であると認めた上で、損害額を確定させるため、東京高裁(大阪高裁)に差し戻した。

今回の裁判のほかに、日本郵便の154人の契約社員は現在、格差是正を求めて各地で集団訴訟を起こしている。

東京事件の水口洋介弁護士は、最高裁判決に従い、提訴した契約社員だけでなく、すべての契約社員について、日本郵便は格差の是正措置をするべきと強調した。

日本郵便では約18万5000人の非正規社員が働く。今回の最高裁判決を受けて、同社の格差是正が迫られることになる。

●西日本事件(大阪高裁判決)がどう評価されたのか

日本郵便事件で注目されていたのが、大阪高裁が判示した「通算5年基準論」だ。各種手当について、通算契約期間が5年を超えていない非正規労働者には支給しなくても構わないとするもの。

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