「在庁時間=労働時間」ではない 横行する官僚のサービス残業、国会開始で過労死リスクも

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月26日 10時38分

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菅義偉内閣が発足してから初の国会論戦の場となる第203臨時国会が10月26日から始まる。国会会期中は、ただでさえ長い官僚の労働時間・拘束時間がさらに増えがちで、健康リスクが高くなる。

残業代が適切に払われていれば、まだ救いがあるかもしれない。だが、実際には満額が支給されるとは限らないようだ。しかも、省庁や部署によっても、認められる時間が違う「格差」があるという。

「強制労働省」と揶揄されることもある厚労省に約10年勤め、数年前に転職を果たした元官僚の男性は語る。

「労働時間管理もザルな部署でしたが、だいたい9時半から翌4時半ぐらいまでは職場にいました。タクシーで帰って、2~3時間寝てからまた出勤です」

しかし、これだけ働いても月給はあまり変わらなかったという。月200時間近くの残業が切り捨てられ、サービス残業になっていたからだ。こうした実態は広く知られており、近年の「学生の官僚離れ」の原因にもなっている。

●人事院調査「年356時間」→民間アンケート「年963時間」

人事院が発表している超過勤務の年間総時間数は、本府省で356時間(2018年/いわゆるノンキャリアを含む)。平均すると月30時間程度ということになる。

一方でたとえば、「官僚の働き方改革を求める国民の会」が2019年に発表した現役・元官僚約1000人へのアンケートでは、平均残業時間が年963時間にのぼるなど、民間の調査とは乖離がある。

どうしてこのようなことが起こるのか。

●在庁時間は「労働時間」を意味しない

国家公務員の残業代(超勤手当)について、安倍政権は2015年、次のような答弁を閣議決定している。

「公務のため臨時又は緊急の必要がある場合において、正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この命令に従い勤務した時間に対して支給される」

そのため、「正規の勤務時間終了後、職員がこの命令を受けずに在庁している場合には、超過勤務手当は支給されない」。

つまり、在庁時間と労働時間が必ずしも連動しないということだ。勤務時間法(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律)にも、同趣旨の規定がある(13条2項)。

「必要な残業代は支払われているという答弁を聞いて、怒りに震えたことを覚えています。この答弁によれば、自分は命令を受けずに緊急性もない業務を勝手にやっていたバカなやつということになりますね」(前出の元厚労官僚)

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