女性職員が手足の「入れ墨」で減給処分 「大阪市」の職員倫理規定は厳しすぎないか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月14日 17時5分

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おととしに導入され、物議を醸した大阪市職員の「入れ墨禁止」ルール。橋下徹市長の意向で定められた新しい規則のもと、今年1月末に初の処分者が出た。市立学校の女性事務職員(23)が、減給1カ月(10分の1)の懲戒処分を受けたのだ。

報道によると、女性職員は職員倫理規則で入れ墨が禁止された後に、入れ墨の施術を受けた。入れ墨は3カ所。左上腕に500円玉大、左足首2カ所に数センチの入れ墨があるという。女性職員は「(他人から)見えなければいいと思った」などと話しているそうだ。

しかし思い返せば、このルールが導入された際に問題視されていたのは、「市民に不安感や威圧感を与える」といったケースだったはずだ。図柄やデザインは明らかではないが、若い女性の腕や足首にある500円玉大、数センチ程度の入れ墨が、市民に不安感や威圧感を与えるのだろうか。

いわゆる「おしゃれタトゥー」と呼ばれるものまで禁じているとすれば、厳しすぎるといえないか。この大阪市の職員倫理規則は、「個人の尊厳」や「幸福追求権」をうたった日本国憲法に違反しないのだろうか。中村憲昭弁護士に聞いた。

●「入れ墨をする自由」は憲法で保障されている?

「今の日本だと、大阪市の職員倫理規則は憲法に反しない、という結論になるでしょう」

中村弁護士はこのように話す。どうしてそういう結論になるのだろうか?

「まず、入れ墨を入れる自由については、憲法上保障されると考えられます。

裁判で争われた前例はありませんが、髪型の自由などと同様、憲法13条の幸福追求権に由来する自己決定権の一つとして、保障されるでしょう」

入れ墨をする自由は、憲法上も保障される……にもかかわらず、自治体が職員の入れ墨を禁止できるのは、なぜだろうか。

「地方自治体は、自治体という組織体としての内部規律を定める権限をもっています。内部規律として、どのような規則を定めるかは、自治体の長に委ねられているのです」

そのルールで「職員個人の自由」をどこまで規制できるのだろうか? 中村弁護士は「過去の判例では、規制の目的に合理性が認められ、かつ規制手段との間に関連性が認められれば、広く裁量を認めるのが特徴です」と話す。

そうなると、今回のような懲戒処分も仕方ないのだろうか?

「確かに、他人から見えない位置に入れた入れ墨まで規制するのは、規制が広範すぎる、と個人的には思います。ただ、現時点の裁判所の考え方からすると、裁量逸脱といえるかどうかは微妙です。今回の処分については、規定が定められた後に施術を受けて入れ墨を入れているので、なおさら争いづらい事案だといえるでしょうね」

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