夫の不倫で2度泣いた妻…慰謝料請求したら「自己破産する」と告げられて

弁護士ドットコムニュース / 2020年11月12日 10時53分

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「旦那に不貞行為の慰謝料を請求したところ、自己破産すると言い出しました。阻止する方法はありませんか」。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられている。

相談者によると、夫は何も言わずに妻である相談者や子どもの前からいなくなり、不倫相手と同棲していた。不倫やギャンブル、日サロにお金を使っていたという。

夫は当初、慰謝料については「支払うつもりはある」と言っていた。そこで、相談者が待っていたところ、突然、「破産する」と言い出したという。

家族を捨てた末にすべてをなかったことにしようとしている夫に、相談者は憤りを感じている様子だ。自己破産しようとしている夫を止めることはできるのだろうか。田中克幸弁護士に聞いた。

●自己破産の阻止は難しい?

ーー自己破産における免責(借金などの債務の支払い義務がなくなること)を阻止することはできるのでしょうか。

自己破産手続上、債権者は免責について意見を述べることができますが、ほとんどの場合、自己破産による免責を阻止することは困難です。

たとえば、浪費やギャンブルは免責不許可事由(破産法252条1項4号)ですが、免責不許可事由があっても、ほとんど裁量免責(破産法252条2項)されているのが現状です。

多額の財産を隠していたとか、破産手続に全然協力しなかったとか、極めて悪質な場合のみ免責不許可になっているということですね。不貞や日サロに浪費し、ギャンブルをしていたというだけでは、免責不許可にならないことがほとんどでしょう。

ただし、破産しても免責の対象とならない債権(非免責債権)もあります。たとえば、「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」については免責されないとされています(破産法253条2号)。

●不貞の慰謝料請求権は「非免責」にならない?高いハードル

ーー不貞行為は、この「悪意で加えた不法行為」に該当しないのでしょうか。

ここにいう「悪意」は、単なる故意ではなく、他人を害する積極的な意欲(害意)を意味し、個別の判断になります。ただ、残念ながら不貞慰謝料が非免責になるのはハードルが高いと思われます。

たとえば、東京地裁平成15年7月31日判決は、夫ではなく、夫の不貞相手の女性(破産免責済み)に慰謝料請求した事件ですが、「不法行為としての悪質性は大きいといえなくもない」としながらも、「原告に対し直接向けられた被告の加害行為はなく、したがって被告に原告に対する積極的な害意があったと認めることはできない」と判断しています。

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