「殺し屋」の報酬は3万円から・・・もし「ゴルゴ13」に殺人を依頼したら何罪か?

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月23日 15時2分

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他人から依頼を受け、殺人を請け負う殺し屋。「ゴルゴ13」や「007」などマンガや映画の話……と思いきや、「殺し屋の実態」をまじめに研究した論文がこのほど、イギリスの専門誌に掲載された。

バーミンガム市立大の研究チームは、イギリスの新聞記事から、「契約殺人」と思われるケースを検索。さらに裁判の記録をたどり、1974年から2013年にかけて、36名の「殺し屋」がかかわる27件の殺人事件が発生していたことを突き止めたという。

論文では、「殺し屋」は、100件以上の殺しにかかわる「ゴルゴ13」のような「達人」から、全くの「初心者」までいたと紹介。報酬は、一番高いもので、10万ポンド(約1700万円)。一番安いのは、16歳少年が請負った200ポンド(約3万4000円)だったという。凶器で一番多かったのは「銃」だった。

なんとも凄い研究があったものだが、もし日本で「殺し屋」に殺人を依頼した場合、どういう罪に問われるのだろうか。元検事で刑事事件にくわしい高岡輝征弁護士に聞いた。

●まず考えられるのは「殺人罪の教唆犯」

「人に犯罪を依頼するという犯罪類型では、まず実行犯(正犯)が何罪になるかを検討したうえで、依頼した人が何罪になるかを考えます(共犯の従属性)」

順番としては、「実行犯の罪」を考えるのが先のようだ。

「まず、実行犯である『殺し屋』の罪を考えてみましょう。殺人行為を実行し、被害者を死亡させた(既遂)場合は、殺人罪(刑法199条)が成立します。法定刑は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役です」

では、殺人の依頼者の犯罪はどうなるのか。

「他人に犯罪を決意させて実行させるという犯罪類型として、『教唆犯』(刑法61条)という共犯類型があります。

殺し屋が殺人既遂になれば依頼者は『殺人罪の教唆犯』になり、また、殺し屋が殺人未遂にとどまるときは『殺人未遂罪の教唆犯』になります。

教唆犯の法定刑は、正犯、つまり、殺人の実行者と同じです」

●共謀共同「正犯」という扱いになることも

この教唆犯というのは、他人に犯罪を教唆する(そそのかす)ことだが、殺人の実行に対して、それ以上の関わりをもった場合は、どうなるのだろう。たとえば、ヤクザの親分が部下の若い衆に殺人を命令するような場合だ。

「教唆犯の範囲を超えて、実行犯と同一視できるようなケース、すなわち、(1)実行行為を分担したと評価できるだけの謀議と共謀者内での地位があり、(2)意思の連絡があり、(3)共同正犯の意思(正犯意思)があるような場合には、依頼者を『共謀共同正犯』(刑法60条)とすることもあります。

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