相次ぐ教員のわいせつ「まさか先生が…」で隠される被害 学校の性暴力をテーマに漫画化

弁護士ドットコムニュース / 2020年12月29日 9時47分

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教員による児童・生徒へのわいせつ行為が相次いでいる。2019年度にわいせつ・セクハラ行為をして処分された公立小中高校の教職員は、2018年度に続き過去2番目に多い273人だった。

なぜ、学校で性暴力が起きてしまうのか。どうして被害が表に出にくいのか。マンガ『言えないことをしたのは誰?』(講談社)は、教員から生徒への性暴力をテーマにその実態に迫る作品だ。

舞台はとある中学校。教師から性被害にあうも自分のせいだと思い込まされ事実を打ち明けられないでいる生徒のため、主人公の養護教諭・莉生が奔走する。

「スクールセクハラは圧倒的な権力関係の中で起こるもの」と語る作者のさいきまこさん。マンガに込めた思いを尋ねた。

●1年半かけて取材

「今も犯人はそこにいる」「あいつがいる限り犠牲者がまた出るっ…」。

物語は何者かから保健室にかかってきた電話のシーンから始まる。養護教諭の莉生は、ただのいたずら電話と思っていたが、それが「スクールセクハラ」の告発であると気づいていく。

当初、さいきさんは保健室の養護教諭を主人公に、子どもたちの貧困や虐待問題についてオムニバス形式で描くマンガを予定していた。

そうして養護教諭への取材を始めたところ、「学校での性暴力」の実態を耳にした。

「ある中学校の養護教諭は、女子生徒から『先生の関心が他の生徒にうつってしまって苦しい』と恋愛相談のような形で言われたそうです。その生徒は被害意識は持っていなかったと。

生徒は自分と先生は付き合っていると思い込まされていました。でも実際には先生がホテルで生徒にお小遣いを渡していたんです。

後になって2人の様子を振り返ってもそんな素振りはまったくなくて、『まさかあの子が』と衝撃を受けたそうです」

「とても1話で収まるものではないけど…」と思いながらもエピソードの一つとして案を出したところ、編集者から「学校での性暴力をテーマにしてマンガを描いたらどうか」と提案された。

それから、当事者をはじめ、被害者支援に携わる臨床心理士や精神科医、弁護士、団体など1年半かけて取材を重ね、物語に落とし込んだ。

連載中の今も取材を続けながら、構想を練っている。さいきさんは「取材すればするほど想像を超えていた。とにかく想像で書いたら絶対にダメ」と強く感じたという。

「最初のプロットでは、被害者が教員を告訴するところを描こうと思っていましたが、裁判をして和解した人がその後も苦しんでいる事実を知りました。さらに、法的手続きまで至れない人もいる。

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