もし「不発弾」の処理に失敗して家屋に被害がでたら・・・国に賠償請求できる?

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月27日 12時28分

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日本各地が空襲を受けた太平洋戦争の終結から今年で69年目。遠い過去のようにも思えるが、いまだに戦時中の不発弾が発見されている。防衛省によると、2012年度に自衛隊がおこなった不発弾処理は、1430件にものぼるという。

昨年6月、東京都北区で不発弾が見つかったケースでは、安全確保のため、京浜東北線や湘南新宿ライン、新幹線などが運休し、数万人に影響が出ている。不発弾は、意外と身近な存在と言えそうだ。

そうなると心配なのが、もし処理中に何かあったら……ということだ。不発弾を処理している最中に爆発が起き、近隣の家屋などに被害が出た場合、被害者は国に対して損害賠償を請求できるのだろうか。湯川二朗弁護士に聞いた。

●国家賠償法に「賠償」に関する規定がある

「現在、不発弾処理の実作業を担っているのは、自衛隊です。

その根拠となるのは、『自衛隊は、当分の間、防衛大臣の命を受け、陸上において発見された不発弾その他の火薬類の除去及び処理を行うことができる』と定めた、自衛隊法附則第4項です。

国家賠償法では、国家公務員がその職務上、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国に賠償責任がある、と定められています(1条1項)。

したがって、国家公務員である自衛隊員の不発弾処理に故意や過失があり、国民に被害が発生した場合には、国家賠償請求ができます」

湯川弁護士はこのように指摘する。

ただし防衛省によると、「自衛隊は不発弾の処理中に一度も事故を起こしたことがない」とのこと。1958年以降、12万件以上の処理を行って無事故ということで、過剰に心配する必要はなさそうだ。

●不発弾の放置が「違法」とされたケースも

一方、湯川弁護士によると、「不発弾がそこにあることを国が知りながら処理を放置して、その結果不発弾が爆発して被害が生じたケース」で、国に賠償責任が認められたことがあったという。1969年に起きた事故ということだが、どんな内容だったのだろうか。

「これは、東京都・新島付近の海中に戦後大量投棄された不発弾が、島の海岸に流れ着き、結果的に子どもが死傷したというケースです。

最高裁は、海中投棄された砲弾が漂着し、事故が起きる危険性を警察が認識していたとしたうえで、警察には『砲弾類を積極的に回収するなどの措置を講ずべき職務上の義務があった』と指摘、その不作為を違法として国家賠償請求を認めました」

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
湯川 二朗(ゆかわ・じろう)弁護士
京都出身だが、東京の大学を出て、東京で弁護士を開業。その後、福井に移り、さらに京都に戻って地元で弁護士をやっている。なるべくフットワーク軽く、現地に足を運ぶようにしている。
事務所名:湯川法律事務所


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