「政府も野党も何してたんだ」 再び発令された緊急事態宣言に倉持麟太郎弁護士が警鐘

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月8日 11時39分

——報じられている政府原案では、現行法上の「指示」よりも法的拘束力のある「命令」を設ける方向で検討しているようです。

政策的な是非はともかく、法的拘束力のある命令に従わない場合には罰則が課されるということになれば、要請の場合とは異なり、法的に争えることが明確となり、事後的な検証が可能となりますので、外延が不明確な要請によってそれぞれに「自粛」をさせるというよりは法的なあり方として望ましいかたちだと思います。

——また、罰則として、緊急事態宣言時の休業命令違反については「50万円以下の過料」なども案としてあがっています。

特定の業種に対する制約として罰則まで課すことは、営業の自由などとの兼ね合いも考えれば、個人的には不要だと思っています。

過料(行政罰)は刑事罰・行政刑罰とも異なりますので、課される過程で事前の告知・聴聞手続きや司法手続きが担保されているわけではありません。

過料についても司法が関わるべきだという裁判例がありますし、過料を導入するとしても、適正手続きの保障等についてもっと議論すべきでしょう。中立的な第三者が判断に加わるなどのあり方も考えられます。

——感染拡大してから慌てて法改正しようとしているように見受けられます。

今ごろ改正しようとしている政府・与党は、「これまで何していたんだ」と言われても仕方ないでしょう。

一方、野党にも責任があると思います。「緊急事態宣言をもっと早くだすべきだった」と言ってましたが、それなら法改正はさらに早い段階で検討しておく必要があったはずです。しかし、抜本的な改正案などを出す動きはありませんでした。

現状として、政党というものが争点を整理したり、形成したりする機能を果たせていないということだと思います。これは日本国の不幸でもあります。

●「緊急事態時の国家のあり方を考えたい」

——特措法の改正を含めたコロナ対策としての法令のあり方に関して、何かアクションを起こす予定などはありますか。

グループ(緊急事態宣言に慎重な対応を求める有志の会)の輪をもっと大きくして、具体的な内容を盛り込んだ法律案の提示などができればと考えています。

たとえば、今の緊急事態法制は特措法だらけで、パッチワーク的につないでいる状況ですので、基本法など統一的な法体制を構築すべきといった議論は必要でしょう。また、感染症法や検疫法なども見直して、非常時に誰がどのような権限をもつべきかなどについても改めて整理すべきだと思います。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング