新型コロナ「入院や調査の拒否は犯罪」感染症法改正で刑事罰は必要か…正当性を考察

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月13日 12時4分

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政府は、新型コロナウイルス対策の強化案として、感染者が入院を拒否すると刑事罰を科すことができることなどを盛り込んだ感染症法の改正を検討している。

報道によれば、入院拒否に100万円以下の罰金を科すことや、保健所による行動歴などの聞き取り調査を拒んだ場合の刑事罰を設けるなどの方針が、1月8日の政府・与野党連絡協議会で示されたという。

また、軽症者などの宿泊・自宅療養の義務化や療養中の抜け出し行為に関する罰則新設も検討しているという。軽症者や無症状患者が療養先からの抜け出すケースが後を絶たないことも背景にありそうだ。

現行の感染症法は、コロナまん延防止のために感染者を強制的に入院させることができるものの、入院拒否や療養中の抜け出し行為に関する罰則規定がない。

法改正で罰則を設けることで、感染者の不用意な外出を防ぎ、コロナ対策の実効性を高めるつもりのようだ。罰則の新設は、全国知事会も1月9日にまとめた国への緊急提言で要望している。

入院や聞き取り調査を罰則を設けて強制することは、個人の自由やプライバシーを制限するものだが、法改正して問題ないだろうか。神尾尊礼弁護士に聞いた。

●必要な対策だが、「居住移転の自由」「プライバシー権」は制約を受ける

——まだ決定されたものではありませんが、国民の受け止め方は様々です。神尾弁護士はどのように考えていますか。

様々な意見があるところでしょうが、私自身は必要な対策だろうと考えます。

まず、現行法の枠組みをおさらいします。

(1)入院に関しては、現行の感染症法(及び政令)で、入院するよう勧告し、従わなければ入院させることができるとされていますが、入院しない場合の罰則はありません(感染症法7条、19条、20条)。

なお、海外からの入国者に対しては検疫法がありますが、待機要請拒否に対しては同様に罰則がありません。

(2)積極的疫学調査とは、感染状況や病気の特徴などを調査するもので、現在行われているものは渡航歴や行動歴などをもとに感染経路などを調べようとするものです。これは、感染症法に基づく調査と整理されると思われます(感染症法7条、15条)。

調査に応じない場合の罰則はありません。

——政府などが検討中の方針は、これら枠組みをどのように変えようとしているのでしょうか。

現在検討されている内容は、(1)入院拒否への刑事罰、(2)積極的疫学調査拒否への刑事罰、(3)その他療養等に関する実効性確保や仕組み作りなどのようです。

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