会ったことのない「彼女」に復縁求めて…メッセージ大量送信の大学生が逮捕されたワケ 

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月16日 9時45分

——いやがらせのような電子メールやSNS上でのメッセージを送信すると、ただちに「つきまとい等」になってしまうのでしょうか。

電子メールの送信等による場合、被害者に対して、著しい不安を覚えさせるような方法でなければ、「ストーカー行為」にはあたらないものとされています。

ただし、インターネット上のやり取りなどの際には、相手の反応をただちに確認できないことから、相手の反応がないことに苛立ちを感じ、言動をエスカレートさせてしまいがちです。

今回の事件のように、インターネット上の付き合いしかない場合であっても、ストーカー規制法違反の罪が成立してしまうケースは決して珍しいものではありません。

——「ストーカー行為」を防ぐ手段は何か定められていますか。

ストーカー規制法は、「つきまとい等」をおこなった者に対する「警告」(4条)や「禁止命令等」(5条)を定めています。

「警告」は、「つきまとい等」をおこなった者に対して、その行為を止めるように求めるもので、法的な拘束力はありません。

しかし、「警告」がなされたにもかかわらず、相手方に電子メールやメッセージを送信するなどの行為が続けられた場合、「警告」がなされる前よりも、相手に不安を覚えさせることになりやすく、「ストーカー行為」として認められやすくなることが考えられます。

「禁止命令等」は、「つきまとい等」をおこなわないように命令するものです。

——「警告」「禁止命令等」はどのように機能しているのでしょうか。

単にストーカー行為をした場合については、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が定められていますが(18条)、「禁止命令等」に違反してストーカー行為をした場合については、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」という加重された刑罰が定められています(19条)。

「警告」や「禁止命令等」の段階で事態が収まるケースも少なくないため、すべてのストーカー行為について刑事罰が科されているわけではありません。

一方で、刑事罰が科される前に、必ず「警告」や「禁止命令等」がおこなわれるわけではなく、最初から刑事罰を科すために被疑者を逮捕することもありえますし、「禁止命令等」のほとんどが「警告」を経ずにおこなわれています。

——ストーカー行為から死傷事件に発展してしまうケースもあります。

直接対面する場合ももちろんですが、相手の顔を見ることができないインターネット上の付き合いであっても、やりとりをしている相手が感情のある人間であることを忘れることなく、しっかりとコミュニケーションをとっていただきたいと思います。

【取材協力弁護士】
岡本 裕明(おかもと・ひろあき)弁護士
刑事事件及び労働事件を得意分野とし、外国人を被疑者・被告人とする事件を多く取り扱っている。多数の裁判員裁判も経験している一方、犯罪被害者の代理人として、被害者参加等も手掛ける。

事務所名:弁護士法人ダーウィン法律事務所
事務所URL:https://criminal.darwin-law.jp/

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