「少年犯罪は厳罰化しても減少しない」 少年法改正の動きに弁護士が「異論」

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月2日 14時15分

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少年犯罪の「厳罰化」を進める少年法改正案が、安倍内閣によって今国会に提出された。

現行の少年法では、犯行時に18歳未満の少年に対しては、成人なら無期懲役になるようなケースでも、10~15年の有期刑(懲役・禁錮)を言い渡すことができると定められている。改正案の柱は、この上限を20年に引き上げる内容だ。犯罪被害者団体を中心に、「成人の有期刑が最長30年なのに比べて、少年事件の量刑が軽すぎる」という声が出ていることが背景にあるという。

改正案は同時に、犯罪をおかした少年に国費で弁護士をつける「国選付添人制度」の対象を、殺人や強盗などから、窃盗、傷害などにまで範囲を広げ、「少年の権利保護」の方向も示した。

しかし、厳罰化に対しては根強い異論の声もある。今回の改正案について、少年犯罪にくわしい中田憲悟弁護士に意見を聞いた。

●少年法改正による「厳罰化」は2000年にも行われた

「少年法は2000年に、厳罰化を意識して大きく改正されました。

1997年の神戸連続児童殺傷事件(2名死亡、3名負傷)、2000年の西鉄バスジャック事件(1名死亡、2名負傷)といった、少年が起こした凶悪重大事件の続発を受けた改正でした。

この改正で注目すべき点は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件(殺人、傷害致死、強盗殺人など)で、犯行時16歳以上の少年については、少年事件として家庭裁判所で処理するのではなく、原則として『成人と同じ刑事裁判の手続き』によって処理することになった点です」

家庭裁判所の手続きと、刑事裁判の手続きは、どう違うのだろうか。

「その2つには、大きな違いがあります。

家庭裁判所の少年審判は非公開で、処分は少年院に送るか、保護観察として家庭において更生を図るか、といった流れになります。

一方、刑事裁判は公開の法廷で審理され、懲役刑などの『刑罰』が課せられることになります」

●「厳罰化」の効果はあったのか?

なぜ「厳罰化」がなされたのだろうか?

「2000年の厳罰化は、重大犯罪の発生を抑制するのが狙いでした。今回の改正案も、狙いは同じです。そこで、まず考えなければならないのは、『2000年の厳罰化で、重大事件は減少したといえるのか』という点です。

最近でも、少年が集団で被害者を殺害しようとしたり、実際に殺害してしまう事件が、度々発生しています。さらなる厳罰化を求める動きの背景には、こうした事件があるのでしょう。

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