飛行機内で「マスク拒否」の男性、事件から4カ月後に逮捕…なぜこのタイミングなのか?

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月21日 10時26分

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航空会社ピーチ・アビエーションの旅客機内で昨年9月、新型コロナ対策としてのマスク着用を拒否してトラブルとなった男性が1月20日、運航を妨害したなどとして、威力業務妨害と傷害、航空法違反の疑いで大阪府警に逮捕された。

報道によると、男性は、客室乗務員らを大声で威圧するなどして、航空機を遅延させ、安全阻害行為をやめるよう命じた機長名の命令書を渡そうとした乗務員の腕に約2週間のけがをさせるなどした疑いがある。男性は逮捕時、容疑を否認したという。

このトラブルの影響で、旅客機は安全確保のため、新潟空港に臨時着陸。男性を降ろしたのち、関西空港に2時間15分遅れで到着した。

男性は、自身のブログなどで、「マスクの着用は健康上の理由で困難」と表明していたが、共同通信(1月20日)は、捜査関係者への取材で「事件後、男性が外出先でマスクを着けて活動していた」と報じている。

事件が起きた昨年9月からある程度時間が経過しているが、このタイミングで男性が逮捕されたことにはどのような理由が考えられるのだろうか。元警察官僚で警視庁刑事の経験も有する澤井康生弁護士に聞いた。

●「マスクを着用して活動していた」としたら、正当な理由ゆらぐ

——事件からある程度時間が経過したのちの逮捕ですが、どのような理由が考えられますか。

本来的には、事件当時に現行犯逮捕もしくは緊急逮捕されてしかるべきだったと思います。 しかし、事件当時はマスクを着用できない正当な理由の存否が不明だったことから、逮捕まではできなかったのではないかと推察します。

仮に健康上の理由でマスクを着用できないのだとしたら、マスクを着用しない正当な理由が認められることになります。そうすると、そもそもの発端となったマスク非着用はやむを得ない行為といえます。そこから発展した客室乗務員とのやり取りで、大声で威圧する行為も含めて、社会的相当性からの逸脱の度合いや悪質性も低いということになります。

しかし、その後、男性がほかでマスクを着けて活動していた事実が判明したことから、マスクを着用できない正当な理由などなかったことが捜査側で確認できたのだと思われます。

その結果、マスクを着用できるのに、あえて着用せず客室乗務員を大声で威圧するなどした事実が認定できて、威力業務妨害罪を適用できるという判断に至ったのではないでしょうか。

——「マスクの着用は健康上の理由で困難」とされていたにもかかわらず、実はマスクを着用して活動していたとの事情は大きな意味を持つということですね。

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