「『130歳の祖父』を死なせてあげました」60代男性、相続で初めて知った衝撃の血縁
弁護士ドットコムニュース / 2021年1月24日 9時15分

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「おじい様名義の不動産について、お伝えしたいことがあります」
ある日届いた弁護士からの手紙をきっかけに、母子家庭で育った男性Aさん(60歳・東京都)は、それまで知らなかった「家族の歴史」を知ることになる。
家族とは、血縁とは何なのかーー。初めて出会う親戚との長いやりとりの中で、Aさんには何とも言えない感慨が芽生えていた。本人への取材をもとに一人称視点でおくる。(ライター・野林麻美)
※特定を避けるため一部の数字等を変えています
●突然の手紙 不動産の相続勤め上げた会社を定年退職したばかりの私のもとに届いたのは、福岡県の弁護士からの手紙だった。福岡に縁などないはずだが…。そう訝しがって開封すると、そこに書かれていたのは、つかみどころのない不動産相続の話だった。
「A様のおじい様名義の自宅不動産が福岡県◆◆市にあり、相続登記がされないままです」
私は父親の顔すら知らずに母子家庭で育った。そこにこんな手紙が舞い込んできのだから驚くほかなかった。
「おじい様」とは、母と離婚した父の父のことらしい。文面には、この家の石垣が崩壊し、隣地の住人が困って弁護士に相談に来たこと、このエリアは昨今開発が進む人気地区で、購入希望の不動産業者がいることも書き添えられていた。
とにかく詳しい話を聞かねば…。老いた母に相談することもはばかられ、私は慌てて記載された弁護士事務所に電話をした。
●祖父はまだ死んでいなかった?担当の若い男性弁護士によれば、父は福岡県に生まれ育ち、東京から嫁いだ母とは私が生まれて間もなく離婚。その後は死ぬまで独り身だった。
祖父には父の上に5人の娘がおり、全員が死亡しているため、私たち孫世代21人が代襲相続人となる。しかし弁護士が手紙を出して、返事を寄越したのは私だけだという。
「お隣さんは、危険な石垣や、古い建物を解体してほしいのです。それに…」
私は浮足立った。購入希望業者の提示金額は3000万円だというのだ。単純に計算して私には500万円もの相続分がある(3000万円を祖父の子ども6人で割った金額)。
しかし、そんな思惑は、弁護士が継いだ言葉で粉砕された。
「実は、生きていれば130歳になるおじい様は、戸籍上亡くなっていないんですよ…」
なんだって? 私の脳内に、たくさんの疑問符が浮かんだ。
「おじい様は死亡届が出されていないのです。ですから、まずは法的に死亡を確定させる手続きが必要です」
とんでもない話に巻き込まれてしまった。沈黙する私に弁護士はこう言った。
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