大麻の「使用罪」創設議論スタート、専門家の声は? 「逮捕で日常は破壊される」作家・長吉秀夫さん

弁護士ドットコムニュース / 2021年2月5日 10時28分

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大麻の使用を禁止する「使用罪」創設など、取締りの強化について議論する厚生労働省の有識者会議が1月から始まった。唐突に始まったともいえる議論に、医師や法律家などからは、戸惑いや疑問視する声が上がっている。

なぜ議論が始まり、専門家たちから批判の声があがっているのか。論点を整理していきたい。(編集部・吉田緑)

●「刑罰を科すほどなのか」医師や法律家からも疑問

大麻取締法は1948年に制定された法律だ。これまで、大麻取締法には「使用罪」はなく、使用自体を禁止する規定はなかった(注)。なぜ突如として、大麻の「使用罪」創設をめぐる議論が始まったのだろうか。

初回の有職者会議「大麻等の薬物対策のあり方検討会」は1月20日に開催された。担当するのは、厚労省の医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課だ。

議論が始まった背景には、医薬品としての使用や治験などを可能にする一方で、不適切な使用を取り締まることがあるとみられる。WHO(世界保健機構)は、医療や研究目的の大麻について、国際条約で定められている「最も危険な薬物分類」から削除するよう勧告していた。国連麻薬委員会が2020年12月、この勧告を承認したことも大きいだろう。

ほかにも、大麻取締法違反で検挙される若者の増加が問題視されたこともあるようだ。初回の検討会の資料には、大麻事犯における「30歳未満」の検挙人員が6年連続で増加したことを示すグラフがみられる(2014年:745人、2019年:2622人)。

●亀石倫子弁護士「厳罰化は誰も幸せにしない」

ではなぜ、医師や弁護士の間から「使用罪」創設への反論が聞かれるのか。専門家たちに話を聞いていくと、その根拠は主に、大麻の有効性と厳罰化によるデメリットにある。

正高佑志医師は、現行法において、医療目的であっても大麻の使用が禁止されていることに異議を唱え続けてきた。

法の制定後、科学の発展により、大麻はてんかん、うつ病やPTSD等のこころの病気、認知症、糖尿病など、多くの症状に使用できることなどが明らかになってきたとされる。日本から治療を受けるため、医療大麻が合法化されている国に渡る人もいるという。

亀石倫子弁護士は、使用罪の創設に「厳罰化は誰も幸せにしない」と反対の立場を示し、電子署名サイトChange.orgで署名活動をおこなっている。

この中で亀石弁護士は「薬物使用者に『犯罪者』のレッテルを貼って社会から排除しても、薬物問題をなくすことはできません」としている。

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