高額の領収書に貼る「収入印紙」 なぜ「印紙税」なんて払わないといけないの?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月4日 15時59分

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ビジネスの現場で日常的に見かける収入印紙。契約書や領収書、手形、株券などに貼って消印することで「印紙税」を納付したことになる。

納税額は記載された契約金額などに応じて細かく分類されている。財務省によれば、国の印紙収入は2012年度決算ベースで1兆776億円に上り、酒税(1兆3496億円)やたばこ税(1兆179億円)に匹敵するほどの規模。国にとっては貴重な財源の1つだ。

契約書や領収書、手形といった「文書」にかかる税金ということだが、もとはといえばただの紙。何のために、どういう理屈で税金がかかっているのだろうか。また、ビジネスだけでなく身近な生活に関わる場面でも、収入印紙を貼らないと「脱税」になってしまう場合はあるのだろうか。税理士の尾藤清隆氏に解説してもらった。

●流通取引に伴う「文書」に課税する

「印紙税は、財産や権利等の『取得・移転』に対して課せられる『流通税』の一種です」

このように尾藤氏は切り出した。流通税としては、印紙税のほかに、自動車重量税や登録免許税、不動産取得税などがあるという。

「印紙税の特徴は、一般的な流通税とは異なり、流通取引そのものを課税の対象とするのではなく、流通取引に伴い作成される文書を課税の対象とする点にあります」

なぜ、文書に税金が課せられるのだろうか。

「それは、契約書などの文書が作成される場合には、その取引に伴って生じる経済的利益があると推定されるからです。文書作成の背景にある経済取引に担税力があるとして、課税が行われているのです」

では、どのような文書に印紙税が課せられるのか。

「印紙税法別表第1の課税物件表に、20種類の文書が列挙されています。そのうち、非課税文書に該当しない文書に対して、課税が行われます。

たとえば、売上代金の受領書や領収書は、課税物件表の17号文書として課税の対象となります。しかし、17号文書の非課税物件欄に記されているとおり『営業に関しないもの』は非課税となります。

具体的には、一般のサラリーマンなどがたまたま私物を売買した際に発行される領収書は、印紙を貼る必要がありません」

●印紙を貼らないと「過怠税」の恐れも

また、売上代金の領収書でも、記載された受取金額が3万円未満のときは印紙が不要だ。そして、今年の4月以降は、その非課税範囲が「5万円未満」に拡大されることになっている。

このような文書に収入印紙を貼り付け、これに消印を行う。収入印紙の購入を通じて、納税が行われることになる。「貼り付ける印紙の金額は、課税物件表に記載された金額となります」ということだ。

もし、本来貼るべき印紙を貼らないと、どうなるのか。

「課税文書に印紙を貼らなかった場合には、本来納付すべきだった印紙税の3倍の過怠税を徴収されることがありますので、ご注意ください」

もっとも、収入印紙が貼られていない文書であっても、その文書の効力は無効になることはないという。つまり、本来は収入印紙を貼るべき領収書に印紙がなくても、領収書としては有効ということだ。

【取材協力税理士】

尾藤 清隆(びとう・きよたか)

1973年1月埼玉生まれ。2004年に税理士登録(東京税理士会所属 登録番号99723)。経営計画に基づく経営アドバスから節税対策など、税務と会計を経営に活かす提案を、東京を中心として展開している。

事務所名:税理士法人尾藤会計事務所

事務所URL:http://www.bitohkaikei.com

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